【交流回路の基本】 ひずみ波の消費電力 ~抵抗で消費される平均電力の求め方~

電気電子

電気電子系は難しいイメージを持たれがちですが、基本から順番に抑えていけばそれほど難しくはありません。
どんな分野にも言えることですが、最初はよくわからないものですから。
本記事では、電気初心者の方でもわかりやすいように、順を追って説明していきます。
じっくり学んでいきましょう!

今回は、「ひずみ波の消費電力」についての説明です。

1.ポイント

ひずみ波の消費電力を求めるためのポイント

ひずみ波交流電圧もしくはひずみ波の交流電流の実効値を利用する。

2.ひずみ波の消費電力

ひずみ波交流電流i=V1sinωt+V2sin3ωtが抵抗Rに流れているとします。
この時に抵抗Rで消費される平均電力Pは、通常通りP=RI2で求めることが可能です。

ただ、ここで出てくる“I”が問題です。
このIは一体何だと思いますか?
答えは、ひずみ波交流電流の実効値です。
最大値では無いです。

実効値とは、ある直流電圧/電流と同じ働きをする交流電圧/電流のことです
なので、ひずみ波交流電流の実効値を求めれば抵抗での消費電流も自ずとわかるわけです。

ひずみ波の実効値は、ひずみ波に含まれる直流成分・基本波高調波の全成分の実効値を2乗して、足し合わせて、平方根にした値(2乗和の平方根)になります。
なので、実効値Iは以下のようになります。

ひずみ波交流電流iのV1及びV2は実効値ではなく最大値であることに注意しましょう。
後は、P=RI2に則って計算すれば答えが導き出せます。

以上、「ひずみ波の消費電力」についての説明でした。


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