【FPの手引き】 年利・利率・金利・利子・利息・融資とは何なのか?銀行の仕組みと併せて解説!

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家庭を築いて子供が何人欲しいだとか、とにかくお金を稼ぎたいだとか、誰しも将来を夢見ることはあると思います。
ただ、どんな願いがあるにしろ、この世の中では“お金”が大切になります。
そのために、貯金をしたり、保険に入ったり、投資をしてみたり、色々とやり繰りしなければならないことがあるんですよね。
そんな人生設計の知識が関係するファイナンシャルプランナー(FP)について紹介していきます。

今回は「年利・利率・金利・利子・利息・融資の解説と銀行の仕組み」についてです。

1.初めに

普通預金や定期預金をする際、年利がありますので利息が付きますよね。
近年の利子は雀の涙になっていますが、昭和の頃は頭おかしい利率になっていたそうな…。
私は平成生まれなので、その時代を直接体感したわけではないですけどね。

さて、当たり前のように年利・利子・利率という用語が出てきていますが、何となくそれらの意味は理解できているのではないかと思います。
私も小さな頃から何となく理解できていましたが、親がお年玉を貯金してくれてたからその時に教えてもらったのか、学校で何か習ったのか記憶が定かではありません。

とにかく、誰しもが何となく意味をわかっている年利・利子・利率などの用語ですが、ファイナンシャルプランニングにおいても頻出する用語となります。
なので、一度しっかりと解説しておこうと思い、本記事をまとめました。

年利・利子・利率などの説明をするのに銀行を例に挙げますので、ついでに銀行が成り立っている仕組みについても解説していきます。

2.年利・利率・金利とは?

年利とは、1年間お金を預けるとどの程度還元されるのかという程度のことです。
元本(借り入れた金額や預けた元金)に対して、1年で何%くらい還元されるかをパーセンテージで表しています。

それに対して、1年に拘らず、1カ月や半年で考える場合は利率や金利と呼びます。
なので、「年利=1年間お金を預けた時に適用される利率・金利のこと」と言い換えることもできます。
何れも、銀行に貯金する際に見かけることが多い用語ですね。
以降の説明では、年利について考えていきます。

もし100万円を年利1%の銀行に1年間預けたのなら、100万円が1.01倍になって101万円になります。
1年で1万円の利益です。

それに対して、もし年利2%の銀行があったとしたら、そこに1年間100万円を預けると1.02倍の102万円になります。
同じ1年なのに、利益に1万円も差が出てしまうんですね。

1年でも結構な差が出ましたが、年数を重ねると更に差は広がります。
もし先程の年利の銀行に10年間100万円を預けたとすると、年利1%だと100万円は100万×1.0110≒110万円、年利2%だと100万円は100万×1.0210≒122万円になります。
この辺の計算は、前回の記事で出てきた変動率と同じ考え方になります。
銀行預金にとっての変動率が年利みたいなものですからね。

10年スパンで比較すると、利益の差が12万も出ていることがわかりました。
100万円でこの差だったので、もし1,000万円貯金していたら120万円の差が生じます。

このように、掛け金が増えるほど利益も膨れ上がるので銀行の年利は少しでも高い方が良いのです。
だからこそ、様々な銀行が『うちなら今ならこの年利ですよ!』とか、『キャンペーン中で1年間年利が上がってお得ですよ!』とか言って客の取り合いをしているというわけです。

3.利子とは?利息とは?

銀行に貯金するという行為は、銀行にお金を貸していることと同義です。
銀行側は、借りた金額と年利に従って、貸付主にお金を還元します。
この還元されるお金のことを、利子もしくは利息と呼びます。
先程、年利1%で100万円貯金すると1万円の利益が出ると説明しましたが、この利益が利子・利息なのです。

利子も利息もどちらも同じ還元金を指しているのですが、誰にとってのお金なのかで呼び方が変わります。

利子は、お金を貸した側の人間が受け取る還元金のことです。
それに対して利息は、お金を借りた側の人間が受け渡す還元金のことです。
つまり、銀行に対して貯金している人が受け取る還元金は利子、銀行が貯金者に対して受け渡す還元金は利息になります
還元する方向が逆になっているでしょう?
微妙にややこしいんですよね。

他の例も見てみましょう。

家を購入したい場合、値段が高過ぎるのでローンを組む方が大半かと思います。
このローンというのは、何かを購入する際にお金が足りないので、銀行に借金して穴埋めする仕組みです。

銀行との間には、「年利何%、何年払い、月々何円返済します」という具合に契約をすることになります。
この時、月々の返済金は利息を上乗せした状態で支払うことになります。
こうして得られる利子で銀行は稼いでいるというわけです。

という具合に、ローンの場合は契約者側が利息を払って、金を貸す側の銀行は利子を得るというわけです。

4.銀行の仕組み

銀行は貯金額と年利に応じて利息を払っています。
では、その利息を払うための収益源はどこにあるのでしょうか?
人件費も管理費もかかっているのですから、どこかしらで利益を上げているはずですよね?
まあ、先程一つ挙げてしまいまってますけど…。

ということで、銀行がどのように運営しているのかを説明していきます。

銀行の主な収益源は、以下の2つです。

  • 融資・貸付による利子
  • 為替業務による仲介手数料

融資・貸付による利子

先程例が出てきたローンなどによる利益が、銀行の主な収益源です

銀行は、個人や会社などの利用者から預かったお金を大切に保管しています。
預かっているお金ではありますが、大量のお金があるわけです。
なので、そうして集められたお金をローンを組みたい人などに又貸しします
その際に借り手から利子を受け取ることで収益化を図っています

このように、銀行や金融機関が企業や個人にお金を貸し出して一定期間内に利息を付けて返済してもらう仕組みのことを融資と呼びます。

この融資による利子ですが、貯金者に対して支払う利息よりも、ローン契約者から刈り取る利子の方が遥かに多いです

例えば、私は不動産を持っているのですが、2,000万円融資してもらって、年利1.95%で35年払いになっています。
これ、総返済額2,700万円くらいになるんですよ。
2,000万円借りたのに、2,700万円返さなきゃいけないんです。
700万円は銀行が丸儲けです。
こんな融資を毎日毎日何十何百とこなしているのですから、そりゃあ利益が出るという話です。

私としては、不動産から得られる利益を加味した上でローンを組んでいるので、利息を取られてもそれは正当なものであり、長い目で見れば最終的にはプラス収支になるので特に気にしていません。
銀行側も契約通りに利子が入ってくるので、ローンに関しては基本的にWin-Winな関係を築けているんですよね。
車のローンとかも、今すぐ欲しいという欲を満たすためにローンという形を取るわけですし。

ちゃんと考えて融資を受けるならいいのですが、世の中にはリボ払いなんてもっと凶悪なシステムを何も知らずに使っている人もいます。
銀行も上手いこと考えるものですよね。
普通リボ払いなんてしようと思わないはずなのですが、そんな普通じゃない人もいるってよくわかっているんですね。

ちなみに、国債を購入して利子収入を得たりもしています。
金を貸す相手は、個人・会社・国と多岐に渡るのですよ。

為替業務による仲介手数料

為替業務というとイメージがわかないかもしれませんが、事務手数料・振込手数料・クレジットカード決済手数料・投資信託の手数料・保険商品の販売手数料などのことです。

例えば、お金をATMで入金・出金・振り込みする際、手数料が数十円~数百円かかりますとよく表示されませんか?
アレも銀行の収益源になっているわけです。
融資と比べれば微々たるものですが、利用者は融資と比較にならないほど多いです。
塵も積もれば山となるとはよく言ったもので、こちらも結構な収益源になっているんですよ。

だからこそ、銀行によっては平日だと手数料無料になっていたりと他の銀行との差別化を行い、利用者を獲得しようと色々頑張っているわけです。

5.普通預金と定期預金の金利について

銀行に貯金する場合、普通預金定期預金という言葉をよく耳にするかと思います。
基本的に、銀行の普通預金や定期預金は年利を表示しています。

普通預金と定期預金の違いについてはいつか詳しくまとめると思いますので、ここでは簡単な説明だけしときます。

普通預金は、いつでも入金可能で、いつでも出勤可能な貯金口座です。
定期預金は、最初に決めた時期まで基本的に出金が不可能になる貯金口座です。

これだけ聞くと、定期預金にする意味が無いですよね。
なので、定期預金の場合は年利が高めに設定してあります
とは言え、バブル崩壊後の終わった日本経済だと、普通預金で頑張って0.5%程度、定期預金で1%を超えてくるかといったところです。(※2025年頃)

探せばもっと年利の良いところもあるかもですが、正直大した利益は期待できないのが現状です。
だからこそ、FPの知識が役立ってくるわけですけども…。

以上、「年利・利率・金利・利子・利息・融資の解説と銀行の仕組み」についてでした。