今回は「チャネル(ch)」についてです。
1.初めに
わからない用語を調べた際、用語の説明をするために他の用語が出現してくるので結局何を意味するのかわからなくなったという経験はありませんか?
私は結構あります。
特に、業界特有の用語なんてその業界の方は知ってて当たり前のように使用してくるので、全く解読できなかったりします。
残念ながら、本ブログに関しても同じことが言えます。
人それぞれどこまで理解しているかは当然異なってきますので、万人が理解できる記事を書くというのは不可能なのです。
超初心者に合わせて毎回基礎中の基礎から説明してたら本題に入れませんからね。
なので、本サイトでは基本的な用語から専門的な用語まで個別にまとめ、簡単に検索できるような構成にしてあります。
もしわからない単語が出てきたら、画面右もしくは最下部に表示されている「サイト内を検索」から用語を検索するか、トップの「用語集」ボタンにまとめた取り扱い用語一覧から目的の用語を検索してみてください。
2.チャネル(ch)とは?
チャネルとは、チャンネル[channel]のことです。
chと略されていることが多いです。
外来語として一般的に浸透している読み方は“チャンネル”です。
TVの“チャンネル”を変えるでしょう?
音響機器の入力端子なんかも入力“チャンネル”と呼ばれますね。
ですが、IT分野や電気分野では原音に近い“チャネル”と呼ばれているのが一般的です。
FETのnチャネル型・pチャネル型などが該当します。
厳密に定められてはいないとは思いますが、通信・音響はチャンネル、IT・電気・その他はチャネル呼びになっていることが多い気がします。
チャネルとは、何かしらの経路・伝送路のことです。
[channel]という英語本来の意味と同様になっています。
具体的には、信号配線(電気配線)や水路などのことです。
データ・電気・水などの通り路になっているでしょう?
TVのチャンネル(チャネル)を変えると映る番組が変化しますが、あれはTVと通信している繋ぎ先(厳密には受信する周波数帯)を単純に切り替えているだけなんです。
IT・電気・音響などの分野以外にも様々な分野でチャネルという用語は登場しますので、出てきたらとりあえずは「何かの通り路を指している」と覚えておきましょう。
その認識で事足りるはずです。
通信業界と音響業界におけるチャンネル
通信業界と音響業界におけるチャンネル(チャネル)について、もう少し具体的に説明します。
通信業界におけるチャンネルは、通信に用いる周波数を指定するための機能のことを指しています。
例えば、Wi-Fiの場合は2.4GHz帯と5GHz帯の2種類の使用周波数帯があるのですが、2.4GHz帯は13の周波数帯に分割されます。
2.412~2.472GHzという範囲から、ある区間は2401~2423MHz、またある区間は2406~2428MHzという具合に割り振られているのです。
この1つ1つの区間(周波数帯)のことをチャンネルと呼んでいます。
このチャンネルを、近場のWi-Fiのアクセスポイントで互いに被らないように選定することで、滞りなく通信が行われているのです。
詳しい説明はWi-Fiの説明記事にまとめてありますので、気になる場合は以下の記事を参照してください。
次は、音響業界におけるチャンネル(チャネル)についてです。
音響用語としてのチャンネルは、サラウンド(周囲を音で囲うように立体的に音響効果を与えること)におけるスピーカーの数を指していることが多いです。
例えば、左右のスピーカーのみが存在するステレオ音声なら2ch、そこに追加でサブウーファー(低音専用スピーカー)が追加されたなら2.1chと表現します。
「○.1ch」と表現されていたら、サブウーファーが1つ追加されていると覚えておきましょう。
これを知らないと、なんか小数点が出現するので混乱するんですよね。
主に上記の意味で使用されるのですが、ミキサーの音声入出力ポート1つ1つのことをチャンネルと呼びますし、I2S通信に対応したICの音声入出力ポートにチャンネル数が記載されていることもあります。
単に音の出入口1つにつき1chだと表現していることもあるのです。
なので、音を取り扱う際の音声信号の数(単位)くらいにイメージしておくと良いかと思います。
ちなみに、似たような用語としてバスというものがあります。
バスは、データなどの情報の伝送路のことです。
チャンネルとの違いは、バスは物理的に繋がっている経路、チャンネルは論理的に繋がっている経路を指しているという点です。
バスの場合は、本当にただ繋いでいるだけなのです。
本来決められた役割であるデータの受け渡しという単純作業はできるのですが、その決められた動作以外はできません。
「Aの場合はBにする」・「Cの場合はDにする」といった論理的な棲み分けができないのです。
チャンネルの場合は、その辺りが融通が利くようになっています。
3.まとめ
チャネル(ch)とは、何かしらの経路・伝送路のことです。
通信業界におけるチャネルは「通信に用いる周波数を指定するための機能」、音響業界におけるチャネルは「音声信号の数」を表しています。
以上、「チャネル(ch)」についてでした。