今回は、「電気回路の基本イメージ」についての説明です。
1.電気回路のイメージ
電気回路の構成要素を言葉で説明すると以下のようになります。
電気回路
⇒電流が流れる回路。電池(電源)と電球(負荷)を接続し、電池の+側から流れ出た電流が電球を通過して、電池の-側まで流れるような経路のこと。
電気
⇒電子の移動によって発生する物理現象の総称。ほぼ電流と同じ意味。
電流
⇒電子(-の電気を帯びている粒子)の流れ。ちなみに、電子の流れと電流の流れは逆になっている。これは、電子が発見されていなかった時代に電流の向きを決めてしまったため。量記号はI、単位は[A]。
電圧
⇒電流を流そうとする電気的圧力。量記号はV、単位は[V]。
抵抗
⇒電流の流れにくさ。電気抵抗とも呼ぶ。量記号はR、単位は[Ω]。
電源
⇒電圧を発し、電流を流す源。電池やバッテリーが該当する。構造が単純な電源は起電力と内部抵抗が直列に接続された回路になっている。
負荷
⇒電流が流れることで仕事(エネルギー変換)するもの。電球やモータが該当する。例として、電球は電流が流れると光る。これは、電気エネルギーが光エネルギーに変換されているということ。
電位
⇒電気の位置エネルギー。量記号はV、単位は[V]。
電位差
⇒電気の位置エネルギーの差。量記号はV、単位は[V]。
起電力
⇒電流を流そうとする電気的圧力の強さ。量記号はE、単位は[V]。
※ 量記号とは、略語のようなものです。
量記号と単位が被っている項目があり、言葉だけだとイメージしづらいかと思います。
ですので、図でイメージしましょう。
電流の流れはよく水の流れに例えられます。

図1左側では、ポンプで水流を起こし、水車を回しています。
ポンプの圧力の強さが強ければ強いほど、水流は強くなります。
水は水位が高いところから低いところへ流れます。
水位差があると水圧が発生し、水が流れます。
図1右側では、電源で電流を流し、電球を点灯させています。
起電力が大きければ大きいほど、電流は大きくなります。
電流は電位が高いところから低いところへ流れます。
電位差があると電圧が発生し、電流が流れます。
太字部分を照らし合わせてみたらイメージしやすくなったのではないでしょうか?
対応箇所をまとめると以下のようになります。
電気回路=水路
電流=水流
電圧=水圧
抵抗=電球の光りにくさ=水車の回しにくさ
電源=ポンプ
負荷=電球=水車
電位=水位
電位差=水位差
起電力=ポンプの圧力の強さ
ちなみに、実際の電気回路は以下のように図記号を用いて書くのが一般的です。
図記号とは、JIS規格・IEC規格で定められている国際的な記号です。

電源の図記号は長い方が+(プラス)である、電位差Vは電位の高い方に矢印を付けるという2点については注意しましょう。
また、抵抗は旧記号が使われている場合もありますので、両方覚えておくと良いです。
ちなみに、抵抗の旧記号ですが、ただギザギザしているのではなく、山の数はきちんと決まっています。
2.受動部品
電気回路を構成する要素の内、供給された電気エネルギーを消費・蓄積・放出する部品のことを受動部品と呼びます。
「受動」が「自分では動かず、他に動かされる」と言った意味を持つので、『電気エネルギーを割り振られた役割に従って消費・蓄積・放出する部品』というイメージになるわけです。
受動部品には以下のような種類があります。
3.能動部品
電気回路を構成する要素の内、供給された電気エネルギーを増幅・整流する部品のことを能動部品と呼びます。
「能動」が「自分から率先して動く」と言った意味を持つので、『受け取った電気エネルギーを制御したり増幅したりして変化させる部品』というイメージになるわけです。
能動部品には以下のような種類があります。
受動部品か能動部品か区別が難しいもの(ダイオードなど)もありますが、厳密に能動部品と受動部品を区別しなければいけないという事案は発生しないと思うので、あまり気にしないで下さい。
以上、「電気回路の基本イメージ」についての説明でした。