【基礎から学ぶ電気回路】 直流と交流の違い ~極性が変わらなければ交流ではない~

電気電子
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電気電子系は難しいイメージを持たれがちですが、基本から順番に抑えていけばそれほど難しいものではありません。
どんな分野にも言えることですが、最初はよくわからないものですから。
本記事では、電気初心者の方でもわかりやすいように、電気回路を理解するための基本中の基本から順を追って解説していきます。
まずは、直流回路についてです。

今回は、「直流と交流の違い」についての説明です。

1.初めに

電気には直流交流という2つの種類があります。
なんとなく直流は一定の電流・電圧、交流は正弦波状(一定周期で波打つ波形のこと)に変化する電流・電圧と思っている方は多いのではないでしょうか?
実は、この認識は間違えています。

今回は、そんな直流と交流の違いについてまとめていきます。

2.直流とは?

直流DCと表示されていることがあります。
DCとは、[Direct Current]の略称です。
そのまま直訳で[直流]となるわけです。

電圧を表現する時にDC24VとかDC5Vなどの表示を見たことがあるかと思います。
アレのことです。

では、直流とは何なのかというと、正負の符号が変化しない電流または電圧のことです。

直流の例は乾電池です。
乾電池ってはめ込む方向が指定されていますよね?
あれは、直流はプラス/マイナスの符号が決まっているので、決まった方向にしか電流が流れないようになっているからです
だから反対にはめ込むと電流が流れなくて動かないんですね。

3.交流とは?

交流ACと表示されていることがあります。
ACとは、[Alternating Current]の略称です。
そのまま直訳で[交流]となるわけです。

電圧を表現する時にAC100VとかAC200Vなどの表示を見たことがあるかと思います。
アレのことです。

では、交流とは何なのかというと、時間経過で周期的に大きさ及び正負の符号が変化する電流または電圧のことです。

例えば、図1のような正弦波は交流にあたります。

図1

交流は変電所から家庭用コンセントに供給されています。
コンセントって特に挿す向きに指定が無いですよね?
あれは、交流はプラスになったりマイナスになったりと変化するものなので、それを前提に設計された電気機器/電子機器に繋いでいるためです
どちら向きに挿し込もうが関係ないのです。
一応向きはあるんですけどね。

4.直流と交流の違い

さて、直流は「正負の符号が変化しない電流または電圧」、交流は「時間経過で周期的に大きさ及び正負の符号が変化する電流または電圧」と述べました。
つまり、直流と交流では以下のような違いがあると言えます。

直流交流
極性変化しない変化する
周期性あっても良いある
大きさ変化しても良い変化する

これだけ見てもイメージはしづらいので、いくつか例を見てみましょう。

例①:これは直流?交流??

図1のような正弦波を振り返ってみましょう。
これは交流です。

極性が周期的に変化していているのでまごうこと無き交流です。

例②:これは直流?交流??
図2

図2のような正弦波があります。
これは直流です。

大きさは変化しています。
また、周期性もあります。
この時点では実は直流と交流の条件をどちらも満たしています

ですが、極性はプラスとマイナスを行ったり来たりしているでしょうか?
していませんよね。
ということで、これは交流ではなく直流なのです。

直流というと直線になっているイメージを持っているかもしれませんが、実際のところはそんなことはないんですよ。

例③:これは直流?交流??
図3

図3のような三角波があります。
これは交流です。

大きさが変化していて、周期性があり、極性も変化していますので、交流の条件を満たしていますからね。

このように、正弦波だから交流などの決まりはなく、あくまで直流は「正負の符号が変化しない電流または電圧」、交流は「時間経過で周期的に大きさ及び正負の符号が変化する電流または電圧」を満たしている波形を指しています
間違えないように注意しましょうね。

以上、「直流と交流の違い」についての説明でした。