【基礎から学ぶコンデンサ】 充電されたコンデンサに複数のコンデンサを繋いだ時の挙動

電気電子
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“コンデンサ”という部品は、電気製品なら必須レベルで多用されています。
電気を蓄えたり放出したり、ノイズ成分を吸収したり、何かと便利だからです。
本記事では、そんなコンデンサという部品についての知識をわかりやすくまとめてみました。

今回は、「充電されたコンデンサに複数のコンデンサを繋いだ時の挙動」についての説明です。

1.ポイント

充電されたコンデンサに複数のコンデンサを繋いだ時の挙動

回路内の電荷は保存される。

2.充電されたコンデンサに複数のコンデンサを繋いだ時の挙動

充電されたコンデンサ同士を繋いだ時の挙動については以下の記事にまとめました。

【基礎から学ぶコンデンサ】 充電されたコンデンサ同士を繋いだ時の挙動
“コンデンサ”という部品は、電気製品なら必須レベルで多用されています。電気を蓄えたり放出したり、ノイズ成分を吸収したり、何かと便利だからです。本記事では、そんなコンデンサという部品についての知識をわかりやすくまとめてみました。今回は充電されたコンデンサ同士を繋いだ時の挙動についてです。

今回は、充電されたコンデンサに複数のコンデンサを繋いだ時の挙動について考えていきます。

図1左のようにコンデンサが3つ繋がっていて、Q1=60[μC]、Q2=Q3=0[μC]だったとします。
ここで、図1右のようにスイッチをONにして回路を繋いだ時のQ1‘、Q2‘、Q3‘、V1、V2、V3を求めてみます

図1

まず、以下の式が成り立っています。

Q1‘=C1V1
Q2‘=C2V2
Q3‘=C3V3

図1からVab=V1=V2+V3であることがわかるので、上の式を代入すると以下のようになります。

Q1‘/C1=Q2‘/C2+Q3‘/C3

Q1‘/12=Q2‘/2+Q3‘/4

Q1‘=6Q2‘+3Q3‘…①

コンデンサの電荷は厳密には図2のように蓄えられています。

図2

回路内の電荷は保存されるので、スイッチを閉じる前後で電荷がどう変化したかを式で表します。

《Q1とQ2
+Q1=+Q1‘+Q2
60[μC]=Q1‘+Q2‘…②

《Q2とQ3
0=-Q2‘+Q3
Q2‘=Q3‘…③

①~③式の連立方程式を解きます。
順序はどうでもいいので、一例を書いていきますね。

①を②に代入する。
60[μC]=6Q2‘+3Q3‘+Q2‘=7Q2‘+3Q3‘…④

③を④に代入する。
60[μC]=7Q3‘+3Q3‘=10Q3
Q3‘=6[μC]

③より、Q2‘=Q3‘=6[μC]

①にこれを代入して、Q1‘=54[μC]

はい、これでQ1‘、Q2‘、Q3‘を求めることができました。

後は、最初の電荷・静電容量・電圧の関係式に各々を代入すれば各コンデンサにかかる電圧V1、V2、V3も求まります。

Q1‘=C1V1
Q2‘=C2V2
Q3‘=C3V3

V1=4.5[V]
V2=3.0[V]
V3=1.5[V]

回路内の電荷は保存される。
意識すべき点はこれだけです。

以上、「充電されたコンデンサに複数のコンデンサを繋いだ時の挙動」についての説明でした。