【基礎から学ぶコンデンサ】 充電されたコンデンサ同士を繋いだ時の挙動

電気電子
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“コンデンサ”という部品は、電気製品なら必須レベルで多用されています。
電気を蓄えたり放出したり、ノイズ成分を吸収したり、何かと便利だからです。
本記事では、そんなコンデンサという部品についての知識をわかりやすくまとめてみました。

今回は、「充電されたコンデンサ同士を繋いだ時の挙動」についての説明です。

1.充電されたコンデンサ同士を繋いだ時の挙動

コンデンサには電荷が蓄えられます。
電荷を蓄えたコンデンサを電球などの抵抗に接続すると、蓄えた電荷を消費するまで電源と同じような働きをします

では、充電されたコンデンサ同士が接続されるとどうなるのでしょうか?
今回はそんな場合について考えていきます。

図1のようにコンデンサとスイッチから成る回路があります。

図1

C1はQ1、C2はQ2の電荷を既に蓄えた状態になっていますが、スイッチが空いている状態なので回路が断絶しており電荷が移動することはありません。
スイッチが空いた状態では電荷は移動しませんが、スイッチを閉じると回路が繋がるので電荷が移動します。
スイッチを閉じた時のコンデンサC1、C2の電荷Q1‘、Q2‘を求めてみましょう。

スイッチを閉じると電荷の総量はQ1+Q2=12mCになります。
この12mCをC1とC2でそれぞれ分けて蓄えるわけです。

スイッチを閉じると端子電圧Vab=コンデンサC1の端子電圧VC1=コンデンサC2の端子電圧VC2になります。
Q(電荷)=C(静電容量)×V(電圧)の関係より、Q1‘=C1VC1、Q2‘=C2VC2なので、Vab=VC1=VC2の関係からQ1‘/C1=Q2‘/C2だとわかります。
コンデンサの静電容量を代入して式を整理すると、2Q1‘=Q2‘になります。
Q=Q1‘+Q2‘なので、2(12-Q2‘)=Q2‘、3Q2‘=24、Q2‘=8mCとなります。
Q1’も同様に4mCと求めることができます。

このように、充電されたコンデンサ同士を接続すると電荷が移動し、各コンデンサに蓄えられる電荷量が変化します。
ポイントは電荷の総量は変化しないという点です

次は、端子電圧Vabを求めてみましょう。

Q=CVなので、総電荷Qと合成静電容量Cを求めれば簡単に算出可能です。
総電荷Q=12mCだと先程わかっているので、合成静電容量Cを求めましょう。

C1とC2が直列に繋がっているので合成静電容量をC1C2/(C1+C2)で求めます。
ここでその通りだと思った方、間違いです

直列だから合成静電容量はC1+C2だと思った方、それも間違いです
それは抵抗の場合です。

正解は「並列回路なので合成静電容量はC1+C2になる」です。
地味に間違えやすいのですが、端子ab間を基準に考えるとこの回路は並列回路です
端子abの位置を図2のように移動すると納得できるのではないでしょうか?

図2

よって、合成静電容量Cは100μF+200μF=300μFです。
Q=CVなので、端子電圧Vab=Q/C=12mC/300μF=40Vとなります。

何事も視点には注意しましょうね。

以上、「充電されたコンデンサ同士を繋いだ時の挙動」についての説明でした。