【基礎から学ぶソレノイドバルブ(電磁弁)】 切換方式のシングルとダブルの違い

電気電子
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実物を見る機会はあまり無いかもしれませんが、“バルブ”というものをご存じですか?
捻るとせき止められた水などが一気に放出される大型の蛇口みたいなものです。
普通のバルブは手動で回しますが、電磁力を使ってバルブを開け閉めできる部品が存在します。
今回は、そんな部品であるソレノイドバルブ(電磁弁)についてわかりやすく解説していきます。

今回は、「ソレノイドバルブの切替方式のシングルとダブルの違い」についての説明です。

1.初めに

ソレノイドバルブのデータシートを閲覧しているとよくわからない点はいくらでも出てきます。
(これはソレノイドバルブに限った話ではありませんが)

今回は、ソレノイドバルブの切換方式の部分に記されているシングル・ダブルの違いについてまとめてみました。

メーカのサイトを閲覧しても全然情報が出てこなかったので、その道の方にとっては知っていて当たり前のことなのかもしれません。
ですが、私は機械屋さんが選定したソレノイドバルブを電気的に繋ぐ程度の使用練度なので、素人となんら変わりません
つまり、知ってる体で書かれても全くわからんのです。

ということで、わからないなりに調べてまとめてみた結果がこの記事となります。

ソレノイドバルブの基礎的な内容は以下のリンク先にまとめてあるので、不安な場合は先にそちらから読んでもらった方がわかりやすいと思います。

2.切換方式のシングルって何?

早速本題に入っていきましょう。

結論から言うと、切換方式がシングルと書かれている場合、励磁して使用するソレノイドが一つということを表しています
その為、親切なデータシートではシングルソレノイドと書いて何がシングルなのか教えてくれています。
基本は心折なところばかりだけどな!

シングルソレノイドタイプの切換方式のイメージ図を以下に示します。
(※ あくまでイメージです)

図1

この例では、通常時は左側に弁体がありますね。
ここでコイルを励磁すると電磁力が発生し、弁体が向かって右側へ移動します。

では、コイルに流す電流を止めるとどうなるでしょうか?
漠然と元の位置に戻るように思ってしまうかもしれませんが、よく考えるとソレノイドに流れる電流の方向は一定なので電磁力は右方向にしか発生しないんですよね
なので、弁体が右側に位置したまま静止してしまいます。
これではソレノイドバルブとして機能しませんよね?
ということで、図1の右側にバネを取り付けます。
すると、コイルに電流が流れていない間はバネの力で弁体が左側に押し戻されるようになります

だから使用するソレノイドが一つ(シングル)になっているわけですね。

3.切換方式のダブルって何?

シングルは励磁して使用するソレノイドが一つでした。
ということで、ダブルはソレノイドが二つになります

では、一つ増えたソレノイドで一体何をしているのかと言うと、シングル時にバネの役割をしていた部分の仕事を行っています
つまり、図1の右側にソレノイドが位置して、左と右のソレノイドを交互に励磁することにより弁部の移動を制御しているのがダブルソレノイドタイプです。
シングルソレノイドタイプを理解していればすんなり理解できるのではないでしょうか?

4.シングルとダブルのメリット・デメリット

シングルとダブルの違いはわかったので、それぞれのメリット・デメリットについて考えていきます。
まずはシングルについてです。
メリットは青字、デメリットは赤字にしてあります。

  • 使用するソレノイドが一つなので、ソレノイドに接続する出力が一点で済む。
  • 停電時にはバネで強制的に弁部が動かされてしまうので意図しない動きをしてしまう可能性がある。

次にダブルについてです。

  • 停電時に弁部に干渉する力は無くなるので、最後に停止した位置を維持できる。
  • 使用するソレノイドが二つなので、ソレノイドに接続する出力を二点占有してしまう。
  • ソレノイドを二つともONしてしまうと故障する。(最悪発火)

以上のようにシングルとダブルの間には明確なメリット・デメリットがあるので、使用用途によって使い分けましょう。

以上、「ソレノイドバルブの切替方式のシングルとダブルの違い」についての説明でした。