今回は、「ユニキャストとマルチキャストとブロードキャストの違い」についての説明です。
1.初めに
メールを送る際、特定の人にのみ送ったり、複数人を指定してまとめて送ったり、グループに所属する人全員にまとめて送ったりしますよね?
この関係ですが、ネットワーク機器に対してデータを送信する場合も同じことが言えます。
特定のコンピュータにのみ送ったり、複数台のコンピュータにまとめて送ったり、ネットワークに繋がったコンピュータにまとめて送ったりできます。
これらの手法には名称が付いています。
今回は、そんな手法であるユニキャストとマルチキャストとブロードキャストについて解説していきます。
2.ユニキャストとは?
ユニキャスト[unicast]とは、ネットワークに繋がった機器の中で特定の1つにデータを送信することを指しています。
例えば、コンピュータAとコンピュータB・C・Dがネットワークで繋がっていたとします。
この時、コンピュータAがコンピュータBにだけデータを送ることをユニキャストと呼ぶわけです。
対象はIPアドレスを指定するなどの方法を用いています。
要するに、1対1の通信方式がユニキャストです。
3.マルチキャストとは?
マルチキャスト[multicast]とは、ネットワークに繋がった機器の中で特定の複数の相手に同時にデータを送信することを指しています。
例えば、コンピュータAとコンピュータB・C・Dがネットワークで繋がっていたとします。
この時、コンピュータAがコンピュータBとコンピュータCを指定して一斉にデータを送ることをマルチキャストと呼ぶわけです。
コンピュータDなんて居なかったんや…。
対象の指定の仕方はユニキャストと同様に、IPアドレスなどを利用します。
要するに、1対多数の通信方式がマルチキャストです。
4.ブロードキャストとは?
ブロードキャスト[broadcast]とは、ネットワークに繋がった機器に同時にデータを送信することを指しています。
[broadcast]は[放送]のことです。
TV番組を放送しようとした場合、放送局から各家庭のTVに電波を使って同じデータを一斉送信していますよね。
このイメージをネットワーク通信に置き換えているだけだということです。
コンピュータAとネットワークで繋がっているコンピュータがB・C・D…Zと非常にたくさんあったとします。
これらのコンピュータに対してデータを一斉送信することをブロードキャストと呼ぶのです。
一点補足すると、ブロードキャストはあくまで不特定多数へのデータ一斉送信のことを指しています。
送り先はどれだけいるのかわかりませんし、誰に対して送られているかも不明です。
放送というより、石焼き芋の屋台が音の届く範囲(ネットワークが繋がっている範囲)に一方的に『石焼~~き芋』と発しているような状態を想像すれば良いかと思います。
5.まとめ
ユニキャストが特定の1つに対してデータを送る、マルチキャストが特定の複数の相手に対して同じデータを送ること、ブロードキャストが全員に対して同じデータを送ることを指しています。
[uni(単一)]・[multi(複数)]・[broad(幅広い・大まかな)]へ[cast(放る・振る)]ので、英語から大体の意味は推測できるようになっています。
以上、「ユニキャストとマルチキャストとブロードキャストの違い」についての説明でした。