【基礎から学ぶ通信方式】 PAN・LAN・MAN・WANとは何なのか? ~ネットワークの規模による分類~

IT
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

LAN・Wi-Fi・Bluetooth…私たちは日常的に様々な通信を当たり前のように利用しています。
とりあえず説明書に書かれている通りに設定をするだけで、簡単にインターネットに接続できたり、ワイヤレスイヤホンとスマートフォンを接続できたりと便利ですよね?
ただ、そういう通信方式があることはわかっていますが、その概要まではよくわかっていないのではないでしょうか?
ということで、様々な通信方式について調べてまとめてみたものが本記事となっています。
ちなみに、私の専攻分野は電気なので、素人が理解できるまで調べてまとめた内容となっており、初心者でも比較的わかりやすくまとめてあるとは思います。

今回は、「PAN・LAN・MAN・WANの違い」についての説明です。

1.初めに

家庭・学校・職場、どこかしらでPCを使用する際に、“LAN”という用語を耳にしたことはありませんか?
インターネットに接続する際になんか出てくる用語ということはわかっていても、具体的に何を指しているのかまではわかっていない方は少なくないかと思います。

また、LANと似たような用語として、PAN・MAN・WANというものもあります。

今回は、LAN・PAN・MAN・WANがそれぞれどんなものを指しているのか、また何が違うのかを解説していきます。

2.LANとは?

まずは、最も耳にするであろうLANについて説明していきます。

LANとは、[Local Area Network]の略称です。
地元・近所[Local Area]を形成するネットワークを指しているわけです。
つまり、LANとは室内・建物内のような限られた範囲内にあるコンピュータなどの電子機器を接続して形成したネットワークのことです。
要するに、職場で何気なく共有フォルダにアクセスしたり、コピー機で印刷したりできているのは、LANを形成しているからなのです。

LANを形成する方式は有線LAN無線LANの2パターンあります。

有線LAN

ケーブルを使用して物理的に繋いでネットワークを形成するタイプのLAN。
Wired LANとも呼ばれる。

昔は機器や用途によって様々な方式のものが開発されていましたが、機器によって方式が異なると何かと不便なので、現在はイーサネット(Ethernet)という通信規格にほぼ統一されている。
使用するケーブルは、銅線でできたメタリックケーブルか、光ファイバを使用した光信号ケーブルの2つが使い分けられている。

有線LANは、配線の手間がかかる・場所を取る・自由に移動できないなどの欠点はありますが、実際にケーブルで接続されていなければネットワークが繋がらないのでセキュリティ面では強固です。
また、通信速度も速めです。
その為、会社のPCなどは未だに有線LAN接続することが多いです。

無線LAN

ケーブル接続するのではなく、電波などを使用してネットワークを形成するタイプのLAN。
Wireless LANとも呼ばれる。
Wi-Fiも無線LANの一種です。
IEEE 802.11という標準規格に準拠した機器がほとんどを占めている。

実際に繋がっているわけでは無いので通信が安定しなかったり、セキュリティ面で有線LANに劣ると言った欠点がある。
その代わりに場所を取らないので、家庭で使用する分には無線LANの方が何かと便利だったりします。

3.PANとは?

PANとは、[Personal Area Network]の略称です。
個人エリア[Personal Area]を形成するネットワークを指しているわけです。
個人を中心に存在する近距離(数m程度)のコンピュータなどの電子機器を接続して形成したネットワークになります

例えば、パソコンとその周辺機器の通信や、オーディオ機器とワイヤレスイヤホンのBluetooth通信なんかはPANに該当します。
室内・建物内のような限られた範囲内にあるコンピュータなどの電子機器を接続して形成したネットワークのことはLANと呼びましたので、PANはそれより更に小規模なネットワークを指しているのです

ちなみに、ネットワークの形成に無線を使用する場合はWPAN[Wireless Personal Area Network]と呼ぶことがあります。

4.MANとは?

MANとは、[Metropolitan Area Network]の略称です。
都エリア[Metropolitan Area]を形成するネットワークを指しているわけです。

個人の周辺(PAN)、室内・建物内(LAN)ときて、次は都市全域(MAN)というわけです。
LANと別のLANが繋がってより広いネットワークであるMANが形成されます。
少しずつネットワークの規模が大きくなっていますね。

5.WANとは?

WANとは、[Wide Area Network]の略称です。
広いエリア[Wide Area]を形成するネットワークを指しているわけです。
“広い”というと非常に抽象的ですが、ここで言う“広い”は“世界”を指しています。

個人の周辺(PAN)、室内・建物内(LAN)、都市全域(MAN)ときて、遂に世界規模(WAN)のネットワークになるわけです。
その為、PAN・LAN・MAN・WANの違いは、ネットワーク規模の差でしかありません
頭文字が何の略称なのかを考えれば想像はつくようになっています。

6.WANとインターネットの違い

ネットワークとネットワークが繋がることでインターネットが形成されます。
なので、その関係でイメージしてしまうと、ネットワークがLANで構成されていて、インターネットがWANで構成されているということになってしまいます
ですが、実際はちょっと違います。

WANはあくまで「プライベートなネットワーク」です。

ある会社の本社が東日本にあり、別拠点が西日本にあったとすると、東日本本社のネットワークと西日本別拠点のネットワークだけを繋いだネットワークがWANです。
充分広いエリア[Wide Area]に対応しているでしょう?

インターネットの場合、世界中の誰とでも繋がってしまうのでセキュリティ面をガチガチに考えなければなりません。
ですが、WANの場合は自社社員しか繋がっていないのでセキュリティ面をあまり考えなくても良いという違いが生まれます。
WANはあくまでLANの延長だと覚えておきましょう。

わかりづらい方は、LANで形成したネットワークは山奥で世間とは隔絶された集落で、WANはそんな集落同士で結んだ協定というイメージを持つといいかもしれないです。
集落間でのやり取りで集結するので、誰かがモノを盗んだりしたらバレます。
その為、WANならセキュリティの意識をする必要が無いんです。
インターネットだと世界中の色んなところと繋がってしまうので、集落が観光地になって色んな人が出入りするようになるようなものだと考えてください。
玄関の鍵を開けっぱなしにするのは怖いでしょう?

以上、「PAN・LAN・MAN・WANの違い」についての説明でした。