【基礎から学ぶ基板】 ユニバーサル基板/ブレッドボードとは? ~回路を試作する時に重宝する基板~

電気電子
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私たちの身の周りには、電気で動く製品が多々存在します。
そんな製品の機能は、内部に組み込まれている“プリント基板”というものによって決められています。
今回は、そんなプリント基板についての知識を、1から調べ直してわかりやすくまとめてみました。

今回は、「ユニバーサル基板とブレッドボード」についての説明です。

1.ユニバーサル基板とは?

電気系の高校や大学に進んでいると、回路を実際に組んでみる実習の授業・講義があるかと思います。
机上の理論だけ学ぶより、実際の動作を確認した方が理解しやすいですからね。

ですが、プリント基板は部品の配置や回路の経路をあらかじめ決めてから機械で生産している基板です。
つまり、「この製品にはこのプリント基板を使用する」と最初から決まっています。
そこで、プリント基板と違って部品の配置や回路の経路を自由に決定できる手実装用の基板が必要になります。

そんな時、抵抗やトランジスタなどの部品を等間隔に穴が開いているオレンジ色の基板に実装しませんでしたか?
あれがユニバーサル基板です。

図1 出典:Amazon

ユニバーサル基板の穴は、ランドと呼ばれるはんだ付けをするために銅箔が付いた穴になっています。
※ 表裏がランドになっている製品も一応存在しますが、大体は裏面のみランドになっています。
なので、ユニバーサル基板の穴に部品の足(リード)を通し、裏面からはんだ付けすることで部品が実装できます。

後は、部品の足をそのまま折り曲げて電線代わりに使用したり、電線で部品の足同士を接続したりすることで回路が形成できるわけです。
原理は単純ながら、便利な一品なんですよね。

ユニバーサル基板は配線を全部自分でやらなければなりませんが、その分自由度が高く、あらゆる回路が作成可能です
その名の通りユニバーサル[universal(普遍的な・万人向け)]な基板なのです。

ちなみに、手軽に回路を組めるので試作に使われることが多いです。

2.ユニバーサル基板の種類

ユニバーサル基板の種類は、ランドの形状穴の間隔違いで分かれます。

ランドの形状

例えば、ランドの形状は以下のようなパターンがあります。

・穴一つ一つが単独のランドになっているタイプ
最も一般的なタイプ。
必要に応じてランド同士を接続すれば良いので、自由度が高い。

・一列ごとにランドが繋がっているタイプ
列ごとにランドが繋がっているので、ある列を+24V、別の列をGNDという具合に決定しておくと、実装が簡単になる。
ランド同士が繋がっていることを失念して想定していない箇所が繋がってしまわないように注意が必要。

・連結されたランドがあるタイプ
一部連結されたランドが用意してあるので、連結されたランド同士を橋渡しをしてあげるだけで簡単に回路を接続できる。
ランドがどう繋がっているかは、ユニバーサル基板の裏面の見た目で判断できます。

穴の間隔違い

隣り合う穴の中心同士の間隔が○○mmピッチという具合に包装紙に表示されている。
2.54mmピッチの場合が多い
コネクタの端子距離などもピッチで表現されているので、もしユニバーサル基板にコネクタを実装する場合、ちゃんとピッチが合っているか確認しましょう。

3.ブレッドボードとは?

ユニバーサル基板と似た製品として、ブレッドボードというものがあります。
ソルダレスブレッドボードとも呼ばれます。
※ ソルダ[solder]…“はんだ”のこと。

ブレッドボードの最大の特長は、はんだ付け無しで回路が形成できるという点です
はんだ付け不要なので何度でもやり直しが簡単に行えるという利点もあります。

ブレッドボードは、ユニバーサル基板同様に部品の足を挿すための穴が空いている層と、特定の穴同士を接続する金属レールが設けられた層の二層で構成されています。
この穴に部品の足を挿すと金属レールに足が接触・固定され、金属レールで繋がっている穴同士が繋がります。
その為、金属レールで繋がっていない穴同士を部品の足やジャンパー線を使って橋渡しすることで、本来は繋がっていない金属レール同士を繋ぐことができます。

このように、部品の足を使って金属レールを繋いで回路を形成するのがブレッドボードです。

見た目は以下のようになっています。

図2 出典:Amazon

以上、「ユニバーサル基板とブレッドボード」についての説明でした。