【FPの手引き】 株式の取引単位・取引方法と証券取引所の市場区分 ~プライム市場・スタンダード市場・グロース市場とは?~

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家庭を築いて子供が何人欲しいだとか、とにかくお金を稼ぎたいだとか、誰しも将来を夢見ることはあると思います。
ただ、どんな願いがあるにしろ、この世の中では“お金”が大切になります。
そのために、貯金をしたり、保険に入ったり、投資をしてみたり、色々とやり繰りしなければならないことがあるんですよね。
そんな人生設計の知識が関係するファイナンシャルプランナー(FP)について紹介していきます。

今回は「株式の取引単位・取引方法と証券取引所の市場区分(プライム市場・スタンダード市場・グロース市場)」についてです。

1.初めに

前回の記事で株主になることで得られる権利について解説しました。

株主になるためには株式を購入する必要があるのですが、よくよく考えるとある疑問がわいてくるかと思います。
それは、「どのように売買されているのか」です。
『購入単位は?どこと取引している?』といった疑問です。

ということで、今回は株式の取引単位・取引方法と証券取引所について解説していきます。

2.株式の取引単位と売買方法

株式の取引単位のことを単元株と呼びます。

原則として、株式の売買取引をする場合は単元株の整数倍で行われます。
1単元は100株とされているので、基本は100株単位で株式を売買できるということです。
もし1株1,000円の株式を購入したい場合、100株10万円からの購入が基本になるということです。

株式ミニ投資と単元未満株

基本は単元株での売買取引となりますが、単元未満でも株式の売買取引は可能です
元々は単元株でしか取り引きできなかったのですが、それだと少額から株式投資を始めたいという人は手を出せません。
ウン十万とかウン百万単位で必要になる銘柄が多いですからね。

そこで、1995年に1単元の1/10である10株単位で売買取引が可能になる株式ミニ投資という制度が導入されました。
ただ、現在は株式ミニ投資制度は多くの証券会社で終了していて、今は1株から売買取引できる単元未満株サービス(※S株など呼び名が多数ある)が主流になっています
1株1,000円の株式なら、1万円や千円から売買取引可能になったのです。

単元未満での売買ができるようになることで、少額からの投資が始められ、リスク分散できるというメリットがありますが、デメリットもいくつか存在します。

例えば、単元未満株の保有では議決権が得られません
あくまで議決権を貰えるのは単元株である100株保有している人からなのです。

それに、手数料が割高に設定されていることもあります。
無料のところもありますけどね。

他には、売買取引のタイミングを自分で選べないという欠点があります。
単元株の場合は株価が1,000円を超えたから売るという設定は出来るのですが、単元未満株の場合は「今日売買する」といったアバウトな方法での取引しかできません

この辺の売買取引の設定についてはまた別途まとめると思いますので、とりあえずここでは単元未満株だと便利な点もあれば融通が利かない点も多々あるのだと思っておいてください。

株式累積投資とドル・コスト平均法

上記は自分でその都度株式を売買する際の取引単位・売買方法でしたが、それとは別に毎月一定額で積み立て購入する方法も存在します。
この方法のことを、株式累積投資、通称“るいとう”と呼びます。

株式累積投資の場合は金額指定してからその金額で購入可能な株数を割り出すので、結果的に単元未満株で購入することになることが多いです。
そんな綺麗に割り切れることはほぼ無いですからね。

ちなみに、株式累積投資のような価格が変動する金融商品を定期的に一定金額で買い続ける投資方法のことをドル・コスト平均法と言います。

毎月の投資金額は変わらないので、 株価が高い月は少しの株式しか購入できませんが、 株価が安い月は多くの株式を購入できます。
そうすると、結果的に平均購入単価が平準化されるので、価格変動のリスクを抑えることができます
積み立て投資がいつ始めても大丈夫とよく言われているのは、このドル・コスト平均法に基づいた考えだということです。
まあ、右肩上がりの相場では一括投資より利益が小さくなりますし、長期目線が必要ですけどね。

3.証券取引所と上場の関係

株式は売買するものですが、会社と直接やり取りをするわけではなく、証券取引所を間に挟んで取引するのが一般的です。
証券取引所というのは、その名の通り、株式や債券といった“証券”を売買する公式な市場のことです。

株価は、この証券取引所で決定されます。
需要が多く買い注文が多ければ株価が上がり、需要が少なく売り注文が多ければ株価が下がります。

また、証券取引所は上場に当たって厳しいルールを設けており、不正取引の監視や上場企業の情報開示の義務付けを行い、公平な取引環境の維持に努めています。

国内の証券取引所は各地にあり、日本最大で規模で主要企業が上場している東京証券取引所、中部地方の企業が上場している名古屋証券取引所、他にも福岡や札幌にも存在します。

さて、何となくよく耳にするであろう“上場”という言葉をしれっと使いましたが、上場というのは証券取引所にて会社の株を誰でも売買できるようにすることを指しています。
証券取引所に上場していれば一定の信頼度はあるわけですし、誰でも気軽に株式の売買に取り組めるようになります。
そうして、上場企業は積極的に株式を売ることで多くの投資家から資金調達をし、事業拡大や新規投資を目論んでいるというわけです。

ただ、上場するにはある一定の条件を満たしている必要があります。
市場によって条件は異なりますが、株主が何人以上、流通している株式が何株以上といった数字的な要件から、経営が健全なのか審査が入ったりします。
それらの条件を乗り越えることで上場できます。

『上場することで誰でも株式を売買できるようになるのに、上場の条件に株主が規定数居ることがあるのは矛盾していない?』と疑問に思うかもしれませんが、創業者・家族・役員・従業員・投資会社・法人関係者などの限られた人だけは売買が可能になっています。
そうした限られた人に株式を買ってもらうことで上場の条件を満たすことができるので、上場するのも一苦労なのです。

ただ、敢えて限られた人以外に株式を買って欲しくないなどの理由で上場しない会社も存在します。
大企業なのに上場していなかったり、上場廃止して非上場企業になる会社があるのは、そういった理由なのです。
上場廃止に関しては上場していられる余力が会社に無くなっているという場合もありますけどね。

ちなみに、会社が初めて株式を公開して証券取引所に上場することをIPO[Initial Public Offering(新規株式公開)]と呼びます。

4.東京証券取引所の市場区分

日本最大の証券取引所は東京証券取引所なわけですが、2022年4月4日以降、市場区分が以下の3つに変更されました。

  • プライム市場
  • スタンダード市場
  • グロース市場

これらも株式の詳細ページを閲覧しているとよく見かけるんですよね。
各々解説していきますが、大体どんな市場なのかは名称から判断できます。

プライム市場

[prime(第一の・主要な)]という意味通り、日本を代表する大企業向けの市場です。
誰でも聞いたことがあるような超有名企業はこの市場に区分されています。
大体グローバルな展開をしている大企業だとこの市場になっています。

プライム市場の企業例

トヨタ・ソニー・任天堂・デンソー・日立・NTT

プライム市場は3つの市場の中で最も上場基準が厳しいです。
その為、プライム市場に区分されている時点で倒産リスクが低い安定した企業だと言えます。

また、株式売買が活発で流動性が高く、株価の値動きは比較的穏やかな銘柄が多いです。
従って、長期目線の安定志向向きのローリスクローリターンな市場と言えます。

スタンダード市場

[standard(標準)]という意味通り、3つの市場の中で中堅どころの企業向けの市場です。
プライム市場ほどではないですが、地方の有力企業や堅実な中小企業のような安定成長が見込める企業がこの市場に区分されています。

スタンダード市場の企業例

アコム・セリア・ヱスビー食品・湖池屋・ロイヤルホテル

スタンダード市場は全体的にプライム市場よりも一歩劣りますが、中長期で堅実な成長性と安定性が見込める実績のあるバランスの良い市場となっています。
その上、プライム市場よりも株価の値動きはしやすい銘柄が多いので、個人投資家から人気のある銘柄が多いです。
ミドルリスクミドルリターンの市場ですね。

グロース市場

[growth(成長)]という意味通り、成長性を重視した新興企業向けの市場です。
新興企業向けなので、プライム市場やスタンダード市場と違って、聞き覚えのないような企業が多く上場しています。

グロース市場は成長性が上場基準なので、利益が出ていなくても上場できてしまいます。
その為、これからめざましい成長を見せて株価が跳ね上がるかもしれませんし、倒産一直線で株価が大暴落してしまうかもしれません。
つまり、ハイリスクハイリターンな市場なのです。

市場区分のまとめ

プライム市場・スタンダード市場・グロース市場の解説をそれぞれしましたのでまとめると、結局のところ、企業の規模・成長性・ガバナンス水準(健全な運営管理がされているか)によって市場区分されているという理解で問題無いです。

市場区分による違いを簡単に表にまとめておきますね。

図1

ちなみに、ここで紹介した3つの市場以外にTOKYO PRO Marketという市場も存在します。

TOKYO PRO Marketはプロの投資家向けになっていて、私のような個人投資家は基本的に株式を買うことができません。
金融機関・上場企業・資本金5億円以上の会社なんかが買うことができる特殊な市場です。
なので、一般人はプライム市場・スタンダード市場・グロース市場のことだけ知っておけば特に困りません。

以上、株式の取引単位・取引方法と証券取引所の市場区分(プライム市場・スタンダード市場・グロース市場)についてでした。