【ITの雑学】 MOQとSPQとSNPの違いとは? ~注文個数を表す用語~

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本ブログにはIT系の知識も備忘録的にまとめてあります。
自分なりにカテゴリ分けをして何かしら共通点のあるWebページは連番になるようにまとめているのですが、どこにも分類されないものも当然存在します。
本記事は、未分類ですが内容としては知っておきたいと思ったことについてわかりやすくまとめたものとなっています。

今回は、「MOQとSPQとSNPの違い」についての説明です。

1.初めに

製品の設計開発をするに当たり、海外メーカ部品を使用する機会は少なくないです。
仮に電気部品・電子部品を注文しようとすると、1個だけ欲しかったとしても、数十個単位や数百個単位でしか購入できない場合は多々あります。
何故かと言うと、単価が安すぎるから1個2個単位で売っても利益が出ないからです
なので、供給側としては「1パッケージ○○個入りでしか売らない」という具合に、何かしらの条件を設けているのです。

この注文個数ですが、英語圏だとMOQ・SPQ・SNPという形で記述されていることが多いです。
さも知ってて当たり前かのように、ネットショッピングの注文サイトや注文書に記載されてきます。

今回は、そんなMOQ・SPQ・SNPの違いについて解説していこうと思います。

2.QTYとpcsについての補足説明

先にちょっと補足説明をしておきます。

販売元が海外だった場合はWebページ全体が英語表記になっていることは珍しくありません。
そんなページを閲覧していると、QTYという謎の項目が登場する可能性が高いです。
このQTYとは、数量のことです
[Quantity]の略称です。

その為、これから説明していくMOQ・SPQ・SNPが表記されている近辺には、QTYという用語もセットで登場することが多いです。
セットで覚えておきましょう。

また、仮にある部品を100個注文したかったとします。
この場合、QTYには「100個」と記入したいところなのですが、英語だとこの単位も若干特殊になります。
一番良く使われている単位はpcsです。
これは[piece]の略称で、[一片・一個]を表す英単語です。
なので、QTYには「100pcs」と記入しましょう。

他にも単位があった場合、何かしらの略称である可能性が高いので、それを念頭に置いて考えてみましょう。
大体は[pcs]で事足りますけどね。

ちなみに、日本語表記でも単位が[pcs]になっていることはあります。

3.MOQとは?

MOQとは、[Minimum Order Quantity]の略称です。
[minimum(最小)]・[order(注文)]・[quantity(数量)]…最小発注数量のことです。
要するに、ある製品を購入したいと考えた際、最低何個からなら購入が可能なのかを表しているのがMOQです。

仮に「MOQ:100pcs」と書かれていた場合、50個だけ欲しかったとしても100個からしか購入できません。
逆に、100個以上なら101個でも102個でも注文が可能なので、110個欲しかったとしたら110個で購入が可能になります。

最初に述べた通り、1個2個レベルの少量受注をしてしまうと、それに合わせた梱包が必要になり無駄な段取りが増えますし、配送料も無駄にかかります。
だからある程度まとめて売らないと利益にならなかったりするので、こうして最小発注数量を指定していたりするわけです。
まあ、少量受注もできる代わりに単価を滅茶苦茶上げている場合もありますけどね。

4.SPQとは?

SPQとは、[Standard Packing Quantity]の略称です。
[standard(標準)]・[packing(梱包)]・[quantity(数量)]…標準梱包数量のことです。
梱包とあるので若干意味を勘違いしやすい気がしますが、要するにある製品を購入したいと考えた際、最低何個単位で購入が可能なのかを表しているのがSPQです。
直訳して標準梱包数量とするより、最小発注単位と捉えた方が良いかと思います。

仮に「SPQ:50pcs」と書かれていた場合、50個ずつ購入が可能です。
なので、50個・100個・150個…という具合に購入することができます。

その反面、合間の個数である20個だけ欲しかったとしても、50個単位でしか購入できないので、20個欲しい場合は50個購入する必要があります。

5.SNPとは?

SNPとは、[Standard Number of Package]の略称です。
[standard(標準)]・[number of package(パッケージ数)]…標準パッケージ数のことです。
要するに、梱包材1パッケージに製品が何個入るのかを示しているのがSNPです。
出荷時の梱包単位ということですね。

仮に「SNP:1000pcs」と書かれていた場合、1パッケージに1000個梱包して出荷していることになります。
1個2個レベルの少量受注をしてしまうと、それに合わせた梱包が必要になり無駄な段取りが増えますし、配送料も無駄にかかります。
だから、サイズ・輸送料などを天秤にかけて梱包のサイズをあらかじめ決めておき、輸送効率を最適化しているのです。

ちなみに、SNPは結果的にSPQと同じになっていることがあります。

例えば、1箱100pcs入りの製品が売っていたとします。
この製品が200個欲しかったとすると、2箱買いますよね?
ということは、必然的に購入単位が100pcsになるので、SPQも100pcsということになるわけです

6.MOQとSPQとSNPの違い

MOQとSPQとSNPの違いは何となく理解してくれたかとは思います。
MOQは注文可能な最小量SPQは発注可能な最小単位SNPは出荷梱包単位のことです。
特にMOQとSPQがややこしいので、確認の意味を込めてもう一つ例を挙げておきます。

例えば、見積書に「MOQ/SPQ:100/50」と書かれていたとします。
この場合、MOQが100なので、最低100個から購入することができます。
ですが、110個・120個という単位では購入できません。
SPQが50pcsなので、50個単位でしか増やせないのです。
つまり、最低100個から購入ができ、それ以上は150個、200個という具合に50個単位での購入が可能なわけです
最小量と最小単位だとここまで指している内容が変わるのです。

このように、MOQ・SPQ・SNPを組み合わせて表記してくることもあるので、どれが何を表しているのかは注意が必要です。

以上、「MOQとSPQとSNPの違い」についての説明でした。