今回は、『差す』と『指す』と『挿す』と『刺す』の意味の違いについてです。
基本的に結論だけ見ておけば知りたいであろう内容は載っていると思います。
より詳しく、雑学として知っておきたい場合は以降の項にも目を通してみましょう。
1.結論
『差す』…モノを身につける・何かが生じる。
『指す』…方向を示す。
『挿す』…細長いモノを入れる・間に挟む。
『刺す』…刺激を与える。
『差す』の意味が若干想像しづらいですが、「傘をさす」のように平仮名を使っている『さす』が実は『差す』に当たる場合が多いです。
どの『さす』か区別が難しい場合は『差す』である場合が結構多いのです。
つまり、判断に迷ったら平仮名使えばいいんですよ。(本末転倒)
2.実際の使用ケースから考える
何れかの『さす』を辞書で調べると、同じ意味として使用されているものが多数出現します。
とにかく情報量が多く、正直どの漢字が何を表しているのかわからなくなります。
なので、実際の使用例から意味を逆引きしていこうと思います。
※ 辞書で調べると以下のリンク先のような結果が出てきます。
この書き方からどう判断しろと…?
◎使用例:傘を差す・口紅を差す・刀を差す・脇差・影が差す・赤みが差す・眠気が差す
モノを身につけたり、何かが生じる場合は『差す』になります。
モノを身につけるという意味はすぐに浮かんでこなかったのですが、よくよく考えると確かに『差す』を使っているんですね。
どの『さす』なのかわからずに平仮名を使っている場合は、大抵『差す』になります。
というのも、主な意味は上記の通りですが、細かく言うともっと多彩な意味を持つからです。
泥沼に嵌まるのであまり考えないようにしましょう。
使用例:北を指す・将棋を指す・指し示す・名指しにする
「指」ですからね、「指し示す」がしっくりきます。
実際に指を使って方向・位置・モノを示す行為は軒並み『指す』になります。
使用例:花を挿す・かんざしを挿す・挿入する・挿絵
何かに細長いモノを入れる場合は『挿す』になります。
「挿絵」のように間に挟み込む場合も『挿す』になるようです。
使用例:刃物で刺す・串刺し・鼻に刺す臭い・刺激を与える
刃物などを尖き立てたり突き通す行為が『刺す』です。
ですが、「鼻に刺す臭い」のように物理的に干渉してこなくても『刺す』は使用します。
ということで、総じて「刺激を与える」というイメージを持っておけば良いと思います。
『差す』だけ意味がわかりづらいですが、そんな場合は熟語などから『こんな意味なのかな?』と想像してみるのが吉です。
3.あまり使われない『さす』
他にも『さす』がありますので、簡単に紹介をします。
これらは全部常用外扱い(日常的にあまり使用されない漢字)です。
なので、日常的には使用しても問題はないけど、公的な文書で使うのは止めましょう。
使用例:光が射す
『差す』と同じ意味合い。
使用例:水を注す
「注ぐ・加える」場合に使用する。
『差す』で代用可。
使用例:目薬を点す・点滴
『差す』で代用可。
『差す』がもう何でもありすぎる。
以上、『差す』と『指す』と『挿す』と『刺す』の意味の違いについてでした。