【基礎から学ぶ論理回路】 論理的演算とはそもそも何なのか?

電気電子
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電子回路を構成する部品の中には、信号を反転させたり、複数の入力信号の状態の組み合わせによって出力信号を変えるようなものが存在します。
きちんと筋道を立てて考える思考のことを“論理的”と言いますので、このような回路のことは論理回路と呼びます。
本記事では、そんな論理回路の種類や実際の構成について、わかりやすく解説していきます。

今回は、論理的演算とはそもそも何なのかについての説明です。

1.ポイント

論理的演算とは

論理的=きちんと筋道を立てて考える様子のこと。
日常生活で当たり前のように行っているはずです。
言葉で説明が難しいので本文を読んでください。

2.論理的演算とは?

「アナログとデジタルの違い」の説明の際に、“0”と“1”の組み合わせから論理的な演算を行う回路が論理回路だと述べました。

では、論理的な演算と言われてすぐにイメージできますか?

論理的とはきちんと筋道を立てて考える様子のことです。
『頭使って考えましょうね』というニュアンスは伝わりますが、論理的演算のイメージには繋がらないので、大体の人は正直よくわからないのではないかと思います。

なので、まずは論理的演算のイメージを簡単に説明していこうと思います。

例えば、テストの結果が50点未満でレポートを未提出だと補習になるという条件があったとします。

そんな中、Aさん・Bさん・Cさんは以下のような状況にありました。

Aさん
  • テストは80点。
  • レポート提出済。
Bさん
  • テストは70点。
  • レポート未提出。
Cさん
  • テストは40点。
  • レポート未提出。

この場合、Cさんだけ補習になることは誰でもすぐにわかりますよね。
テストの結果が50点未満という条件レポートを未提出という条件を同時に満たしているのはCさんだけですから。

この考え方が論理的な演算です。

『Cさんはテストが50点未満である40点だ。Cさんはレポートを提出していない。だからCさんは補習を受けなくてはならない。』

この当たり前のように考えている思考が既に論理的思考なのです。
つまり、日常生活で私たちは知らず知らずのうちに論理的思考をしているんですね。

条件を照らし合わせて判定をしただけですが、これが論理回路の肝なのです

この関係を試しに論理回路に当て嵌めて考えてみます。

“0”の時にOFF、“1”の時にONになるスイッチを2つ直列に繋いだ回路があるとします。

図1

この回路が繋がっていない場合は何も出力されないので“0”、繋がっている場合は左端から入力した値がそのまま出力されるので“1”になります。

ここで、各スイッチが“0”か“1”になる条件を以下のように設定してみます。

スイッチA
⇨テストの結果が50点未満なら“1”
⇨テストの結果が50点以上なら“0”

スイッチB
⇨レポート未提出なら“1”
⇨レポート提出済なら“0”

すると、組み合わせは以下のようになります。

スイッチAスイッチB出力
000
010
100
111

ここで出力が“0”になる場合と“1”になる場合について考えます。

出力が“1”になる場合は、スイッチAが1(テストの結果が50点未満)且つスイッチBが1(レポート未提出)の組み合わせの時だけです。
この組み合わせは最初に述べた補習の条件と一致しています
逆に、出力が“0”になる組み合わせは何れも補習になりません。

つまり、図1の回路にこの条件付けをすれば、テストの結果が50点未満でレポートを未提出だと補習になるという計算を行えるわけです。

このように、“0”と“1”の組み合わせで[論理的に]演算するのが論理回路です。

以上、論理的演算とはそもそも何なのかについての説明でした。