【電気電子の雑学】 感電とは?危険なのは電圧?電流?仕組みや致死量について解説!

電気電子
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本ブログには電気電子系の知識を備忘録的にまとめてあります。
自分なりにカテゴリ分けをして何かしら共通点のあるWebページは連番になるようにまとめているのですが、どこにも分類されないものも当然存在します。
本記事は、未分類ですが内容としては知っておきたいと思ったことについてわかりやすくまとめたものとなっています。

今回は、「感電」についての説明です。

1.初めに

電気系の仕事をしているとたまに感電することがあります。
私は試験機が漏電していたり、電源を切ったパワーサプライ(直流電源)に電気が残ってたりといった場合に感電したことがあります。
まあ、感電といっても静電気をちょっと強力にしたような刺激のものですけどね。

そんな感電ですが、何Vの電圧、何Aの電流から危険なのかを意識したことがあるでしょうか?
本記事では、そんな感電についての雑学をまとめてみました。

2.感電の原理

そもそもなんで感電するのかについての説明から入ります。

結論から言うと、人間の身体は電気が流れやすくできているので、電気の流れている箇所に触ると身体を介して地面(アース)に電気が流れていきます。
これが感電です。
電位差のある2点間を繋ぐように触れるとショート(短絡)して感電するというケースもありますが、大体の感電は地面に流れていくパターンです。
※ 2点間のショートパターン例:電信柱間に張られている電線を2本同時に触れてしまう。

まず前提として、電流は電圧の高いところから低いところに流れるようになっています。
そして、電流が流れているところの電圧に対して、地面(アース)の電圧は低いものになっています
なので、電流の流れているところと地面(アース)の間を電流が流れやすいモノで繋いだらその経路を電流が流れるようになります。

人体は約70%が水でできているので、電流が流れやすいです
その為、電気の流れている箇所に人間が触れると、より抵抗の小さい(電流が流れやすい)人体に向けて電流が流れ込んできてしまうわけです。

このように電気は地面に流れていくので、高電圧を取り扱う際はゴム手袋や絶縁靴などの電気を流しづらい物質を着用した上での作業を推奨されています。
人体には電気が流れやすくともゴム手袋や絶縁靴には電気が流れづらいので、電流が流れているところと地面(アース)の間の繋がりが絶たれ、結果的に人体に電気が流れることはなくなるのです。

ただし、ゴム手袋や絶縁靴を着用していたとしても、それらが水で濡れていたりすると水を介して感電することもあります。
電流の流れやすいモノを介して「電流が流れているところ」~「人体」~「地面(アース)」という経路ができてしまうと感電するので注意しましょう。

ここまでは常識として知っている人は多いと思いんじゃないですかね?

3.感電の経路

電流には抵抗が小さい(電流が流れやすい)経路を通るという特性があると述べました。
つまり、感電した際にどの経路を通ってしまうかによって危険度が変化します

例えば、片手の指を2本触れた場合は指の間を通るだけで済むかもしれませんし、左手から右手に電流が流れるような触り方をしてしまうと肺や心臓がやられるかもしれません。
神経系・血管・筋肉などは比較的電気が流れやすく、骨・脂肪などは電気が流れにくいです
雷に打たれても火傷で済んだという人がいるのは、運よく臓器を避けて電気が通り抜けてくれたということですね。
そもそも雷に打たれている時点で運は悪いですが。

一番危険なのは両手での感電と言われています。
心臓はヤバいのです

4.危険なのは電圧?電流?

では、本題の危険なのは電圧なのか、電流なのかについての説明に入ります。

そもそもの電圧と電流の意味を考えて欲しいのですが、電圧は電流を流そうとする圧力、電流は電子の流れです
電子と言うとよくわからないかもしれませんので、電気が流れる=電流が流れるだと思ってくれればいいです。

普通にイメージすると、電気がより流れている方が危険そうですよね?
つまり、いくら電圧(圧力)が強かろうが電流が小さければ危険ではありませんし、電圧が弱くても大電流が流れると普通に危険です
ということで、電圧と電流の二択で言うなら気にかけるべきは電流となります。

冬になると静電気が発生しますよね?
あれは服との摩擦で人体が帯電した状態になるので起こる現象なのですが、実は3000V以上の電圧がかかっています(笑)
家庭用電源が100Vであることを考えると凄まじい電圧ですよね。
だけど痛いだけで済んでいるのは、流れる電流が少ないからなのです。

5.電流値ごとの症状

ここまでの内容をまとめると、感電の程度は電流の流れる経路と大きさによって変わると言えます。
後は電流の流れる時間にもよります。
イメージすればわかると思いますが、長い間感電している方が危ないですからね。
一瞬火の中に手を突っ込んでも火傷はしませんが、数秒でも火炙りされたら普通に火傷になるでしょう?
それと同じです。

このように状況によって感電の症状は変化するわけですが、何A流れるとどうなってしまうかという大体のイメージがあります。


1mA:痛みを感じる。静電気レベル。
5mA:結構な痛みを感じる。我慢できるレベル。
10mA:相当痛い。我慢できないレベル。
20mA:痙攣する。触れると硬直して離れられなくなる。一人だとどうしようもなくなる。
50mA:非常に危険。一歩間違えれば普通にお陀仏。
100mA:致命傷。

大きく分けるとこんなイメージですが、これは電流のみを考えた場合です。
神経系や心臓に流れてしまうと数mAでも余裕で旅立てます

6.日常生活で気を付けておきたいこと

普通に過ごしていると静電気以外で感電する事はほぼないですが、風呂場でスマートフォン弄って感電死したニュースとか見たことありませんか?
人体は元々電気を流しやすいですが、汗や水で濡れているとなおさら電気が流れるようになります
つまり、風呂に入った状態で感電すると相当危険です
風呂場でのスマートフォンの利用、特にスマートフォンの充電は控えましょう。

スマートフォンの充電器はせいぜい数Vしかありませんが、ここまで述べた通り問題になるのは電流なので、普通に死ねます。
同様の理由で、濡れた手で充電器やコンセントの抜き差しするのも止めておきましょうね。

以上、「感電」についての説明でした。