【電気部品・電子部品の解説】 フロートスイッチとは? ~流量検出用のセンサと水洗式トイレへの応用~

電気電子
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電気電子系は難しいイメージを持たれがちですが、基本から順番に抑えていけばそれほど難しくはありません。
どんな分野にも言えることですが、最初はよくわからないものですから。
本記事では、電気初心者の方でもわかりやすいように、順を追って説明していきます。
じっくり学んでいきましょう!

今回は、「フロートスイッチ」についての説明です。

1.フロートスイッチとは?

フロートスイッチとは、タンク(容器)内の液体の水位を測るための計測器のことを指します。
このフロートスイッチの原理を利用した身近な例が水洗式トイレのタンクです。
イメージがしやすくなるので、まずはその話をしていきます。

私の実家は古いのでたまにトイレの水が流れっぱなしになるのですが、そんな時はタンクを開けて“浮きのようなもの”を弄るとなんか直ったりします。
水洗式トイレは、タンク内の水位が変化してこの“浮きのようなもの”が上下移動をすることでスイッチが切り替わって水を流したり止めたりと制御をしています
なので、何かにつっかえることで“浮きのようなもの”が動かなくなってしまったためにスイッチが切り替わってくれずに水が流れっぱなしになっていたわけです。
だから適当に動かしたら直ったんですね。

フロートスイッチもやってることは同じようなもので、この動きに磁力が関係してきます
実際に浮いた状態(フロート)になるからフロートスイッチと呼ばれるのかもしれませんが、たまにフロースイッチとも呼ばれているのでどの呼び方が正しいのかは正直よくわかりません。
仮にフロースイッチだとしても「flow」は「流れ・流動」を意味するので、結果的に意味が通るのでどちらでも良いのかもしれません。

2.フロートスイッチの原理

フロートスイッチはタンク(容器)内の液体の水位を測るための計測器だと述べましたが、もう少し具体的に言うと水・油などの流量を監視し、流量の調整や残量の確認・警報などを行うセンサと言えます。
監視を行った上でスイッチの切り替えまで行うタイプの製品もあるので、フロートセンサではなくフロートスイッチという名称でも間違ってはいませんね。

フロートスイッチの構造は比較的単純で、図1のようになっています。

図1

リードパイプ(※ 呼び方は他にも色々ありそう)を中心として、フロート(浮き部分)とストッパーが取り付けられています。
水量によってフロートが上下移動しますが、どこまでも上下移動すると困るので可動域を限定するために上下にストッパーが付いています。
フロート内部には磁石が内蔵されていて、中心のリードパイプに内蔵されているか外付けしたリードスイッチが磁石に反応してON/OFFが切り替わるようになっています

例えば、下限のストッパーに近づくとスイッチがONになることで残量が少なくなったことを伝えたりできるわけです。

※リードスイッチ…小さなガラス管の中に2枚の金属板が重なり合うように配置されていて、磁界が加わると金属板同士が接触して接点が切り替わるスイッチ。

3.フロートスイッチの種類と使用例

フロートスイッチに分類はおそらくありません。
ただ、種類によっては流動体が水に対応したもの/油に対応したもの/固形物を含まなければほぼ全ての液体に対応したものなどに分かれていたりするので、使用用途と必要なスペックを見合わせて選定する必要があります。

フロートスイッチは結構身近なものにも使われています。

例)自動販売機・加湿器・空調設備・浄水施設

ちなみに、フロートスイッチについて調べると、フローメータ・フロースイッチ・フロートセンサ・フロートレベルセンサなど様々な製品が検索されます。
これらはおそらく全部フロートスイッチのことを指しています。

ただ、SMCのフロースイッチが謎なんですよね。
実際に設計に深く携わっていないから疑問のまま放置することになってしまっているのですが、フロースイッチ内を流動体が流れて、その流量を監視して流量調整を可能にした製品のはずです。
PFM711Sが該当します。
この製品の働きだけ見るとフロースイッチ(フロートスイッチ)なのですが、肝心のフロート(浮き)が無いし、そもそも他のフロートスイッチと違って流動体が内部を通っているんです。
これはフロートスイッチとして扱っていいのか、それともフロースイッチという新たな製品と見るべきなのか…ちゃんとわかったらここにまとめておきます。

以上、「フロートスイッチ」についての説明でした。