今回は、「eMMC」についての説明です。
1.eMMCとは?
eMMCとは、[embedded Multi Media Card]の頭文字からなります。
翻訳すると[組み込みマルチメディアカード]になります。
読み方は普通にイーエムエムシーです。
eMMCは、フラッシュメモリを利用したストレージ(外部記憶装置)の規格の一つで、読み書き自由で電源を落としてもデータを保持できる不揮発性のメモリのことです。
USBメモリやSDカードなどが身近なフラッシュメモリになります。
USBメモリやSDカードはPCなどに抜き挿しして使用する外付けのメモリなのですが、eMMCはPCなどに内蔵・組込・埋込されたメモリとなります。
名前通り組み込みされているわけです。
ついでに言うと、フラッシュメモリの読み書きを制御するコントローラも一纏めになっている点も特徴です。
同じフラッシュメモリを使用していても、用途や構成が全然違うんですね。
2.eMMCとSSDの違い
eMMCと似たようなストレージとしては、よくSSDが挙げられます。
SSDもeMMC同様に内蔵型のフラッシュメモリとして市場に出回っているからです。
eMMCとSSDの性能を比べると、以下のようになります。
eMMC | SSD | |
---|---|---|
サイズ | ◎ | ○ |
消費電力 | ◎ | ○ |
データ転送速度 | ○ | ◎ |
容量 | ○ | ◎ |
価格 | × | ○ |
SSDはHDD(ハードディスク)よりも小型で省電力になりましたが、eMMCはそのSSDよりも小型で省電力になるんです。
それぞれの項目に補足していきますね。
サイズに関しては、SSDも充分に小さいのですが、eMMCはそれより更に一回り小さくなります。
取り外しという利便性を失った代わりにコンパクトになったのです。
データ転送速度に関しては、eMMCも400MB/sと充分に速いのですが、SSDがそれよりも更に速いという認識になります。
実際、eMMCのデータ転送速度はHDDよりは普通に速かったりします。
容量に関しては、eMMCはMax256GBで製品利用する主流は32GBか64GBです。
それに対してSSDは1TBのものまで用意ができるので、大容量の用途の場合は選択肢が広がります。
eMMCは序盤に述べたように電子機器に内蔵されているのですが、厳密にはマザーボードにはんだ付けして固定されています。
つまり、取り外しはできないのです。
その為、容量を補うなら素直に外付けのメモリを使用することになります。
技術が進歩したらもっと大容量のeMMCも出てくるかもしれませんけどね。
まとめると、eMMCは小型・省電力で制御回路もワンパッケージしてある凄いメモリというわけです。
その分高いんですけどね。
eMMCは特に小型化・省電力という点が現代にマッチしているので、日常生活で利用するノートPCやスマートフォンのような電子機器の内蔵ストレージとして使用されることも多くなってきています。
大容量で価格も抑えられるとより普及するかもしれないので、今後の技術の発展に期待ですね。
以上、「eMMC」についての説明でした。