【基礎から学ぶ電気設備】 ブレーカの仕組みについて ~ブレーカが落ちる理由と対処法~

電気電子
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電車の駅や線路沿いなどには一般人立ち入ることのできない設備があります。
工場見学に行くと様々な機械かみ合って動いている様を見ることができます。
このように、よくよく考えると身の周りには電気設備が存在するのですが、どんなことをしているのかは第三者でしかないから曖昧だったりしますよね。
本記事では、そんな電気設備のあれこれを簡単まとめてみました。

今回は、「機械の安全保護対策」についての説明です。

1.初めに

日常生活で“ブレーカ”と耳にしたことはありませんか?
子供だろうが大人だろうが、家に住んでいる限りはどこかのタイミングで耳にするかと思います。

ただ、大体どんなものなのかも想像が付くかと思いますが、何のために存在するのかは漠然としたイメージしか持っていないという方は多いかと思います。
「ブレーカを弄らなければ電気が通らない」、「停電した時に作動しているからおそらく電気的な保護をしている」といったところではないでしょうか?

今回は、そんなブレーカについて解説していこうと思います。

2.ブレーカとは?

ブレーカ[breaker]とは、電気の流れを遮断して回路を保護するための安全装置のことです。
配線用遮断器とも呼ばれています。

要するに、電気回路を[break(壊す⇒遮断)]する役割を持った装置を指しているわけです。

落雷などの影響で停電が起こると、『ブレーカーが落ちた』と言いますよね?
アレは、ブレーカが作動して回路を遮断したことを表しています。
落雷の影響によってサージが発生するので、それを感知して回路保護をしているのです。

仮にブレーカを設けていなかった場合、コンセントと繋がっている家電製品に諸に落雷の影響が出るので、家電製品の故障や発火に結びつく危険性があります。
落雷の影響をブレーカが感じ取って率先して回路を遮断してくれているからこそ、被害は少なくて済んでいるのです。

3.家庭用ブレーカの役割とブレーカが落ちる理由

家庭用のブレーカは以下のような見た目をしています。

図1

ここで『そうだな!』と思った方は不正解です。
これは分電盤と言います。
この分電盤の中にブレーカが搭載されています
分電盤の外に露出しているスイッチ付きの装置がブレーカです。
なので、ブレーカは分電盤の一部ということです。
まあ、分電盤のことをブレーカと呼んでも伝わりますけどね。

さて、図1をよくよく見てみると、何か3つのブレーカが並んでいますね。
なんかぶら下がっているでかいのと、中くらいのと、小さいの×6です。
このブレーカは、左から順に契約ブレーカ漏電ブレーカ安全ブレーカと言います。

電気の流れは、電柱⇒契約ブレーカ⇒漏電ブレーカ⇒安全ブレーカ⇒コンセントという経路になっています。
その為、契約ブレーカが落ちれば漏電ブレーカ及び安全ブレーカが落ちていなくても電気は遮断されますし、漏電ブレーカが落ちれば安全ブレーカが落ちていなくても電気は遮断されます。

契約ブレーカ

電力会社が電気の契約容量を決定するためのブレーカ
サービスブレーカとも呼ぶ。

仮に契約ブレーカに“30A”と書かれていた場合、30[A]以上流そうとすると契約ブレーカが自動で作動して回路が遮断されます。
家全体で電気を使い過ぎるとこの契約ブレーカが落ちるわけです。

ちなみに、スマートメータという設備が用意されている場合、スマートメータ内に契約ブレーカの機能が内蔵されているので、契約ブレーカが付いていないことがあります。

漏電ブレーカ

建物内の配線や電気機器の漏電を感知するブレーカ

家のどこかで漏電が起きると漏電ブレーカが落ちます。

安全ブレーカ

リビングやキッチンなどの各部屋へ電気を送る分岐回路のそれぞれに取り付けるブレーカ
子ブレーカとも呼ばれる。

部屋単位で電気を使い過ぎた場合や、家電やコードの故障で短絡が発生した場合に安全ブレーカが落ちます。

こうして部屋ごとに分電しているから分電盤と呼ぶわけですね。

電源タップをコンセントに繋いでタコ足配線をしていると安全ブレーカが落ちやすいです。

ちなみに、ブレーカが“落ちる”というのは、この遮断機のスイッチがON(入)からOFF(切)に切り替わることを指しています。

4.漏電ブレーカが落ちた際の正しい対処法

ブレーカが落ちたら元に戻せばいいだけのような気がするかもしれませんが、それは契約ブレーカと安全ブレーカが落ちた場合に限ります

一般家庭で短絡が起きるということはほぼありません。
なので、この2つのブレーカは単純に電気の使い過ぎで落ちていることがほとんどで、元に戻して電気の使用量に注意さえすれば良いのです。

ですが、漏電ブレーカは違います。
どこかで漏電しているからこのブレーカが作動したわけなので、これを元に戻そうとしたところで漏電したままなので元に戻せません。
というか元に戻した瞬間にまた落ちるので、怪我する可能性さえあります。
実際に漏電ブレーカが落ちてしまった場合、電力会社に連絡しましょう。

応急処置として漏電している機器がある部屋以外の電気を使えるようにしたい場合は、以下の手順に従って漏電部屋を調べてください。

①全ブレーカをOFFにする。
②契約ブレーカをONにする。
③漏電ブレーカをONにする。
④一つずつゆっくりと安全ブレーカをONにする。

こうすれば、漏電箇所に関わる安全ブレーカがONに切り替わった瞬間に漏電ブレーカが落ちますので、漏電が発生している部屋を特定することができます。
後は、漏電部屋の安全ブレーカだけOFFにすれば良いわけです。

以上、「ブレーカ」についての説明でした。