【基礎から学ぶコンデンサ】 コンデンサに流れる電流 ~そもそもコンデンサに電流は流れるのか?~

電気電子
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“コンデンサ”という部品は、電気製品なら必須レベルで多用されています。
電気を蓄えたり放出したり、ノイズ成分を吸収したり、何かと便利だからです。
本記事では、そんなコンデンサという部品についての知識をわかりやすくまとめてみました。

今回は、「コンデンサに流れる電流」についての説明です。

1.ポイント

そもそもコンデンサに電流は流れるのか?

コンデンサには電流は流れないが、コンデンサを接続することで回路に電流は流れる。
コンデンサが充電されると回路にも電流は流れなくなる。

2.そもそもコンデンサに電流は流れる?

本ブログのコンデンサに関する説明で、コンデンサには電流が流れないと述べました。
他のサイトでも同様に説明されているかと思います。
ですが、教科書や問題集でコンデンサに流れる電流を求める問題を見たことがありませんか?
コンデンサには電流が流れないと説明されていたのに、コンデンサに流れる電流を求めろという問題が存在する…矛盾していますよね?
私もその点で最初は混乱しましたので、今回はその説明をしていきます。

前提の知識としてコンデンサについての基本を知っておく必要がある為、自信がない方は先に以下の記事を読んでおくといいかもです。

コンデンサに直流電源を接続すると、コンデンサの金属板部分にプラスとマイナスの電荷が蓄えられます。
電荷が蓄えられるということは電荷が移動することを意味するので、コンデンサに電荷が蓄えられている間は回路に電流が流れます
ですが、コンデンサには誘電体(絶縁体)が挟まれている為、コンデンサには電気を通しません
あくまで電流が流れるのは回路です。
なので、コンデンサに流れる電流を求めろという問題があった場合、コンデンサに流れる電流ではなくコンデンサを接続することでコンデンサ付近に流れる電流を求めろという意味で解釈しましょう。

意味合い的にはコンデンサに電流が流れているようなものなので教科書や問題集の場合は一々説明がされていないのだと思われます。
大体コンデンサには交流電流は流れるとも書かれていますし、色々勘違いさせてきますのでよく意味を考えてみるのが吉です。

ちなみに、コンデンサの充電が完了すると電荷量が変化しなくなるので、回路に電流は流れなくなります。

3.コンデンサに流れる電流の求め方

では、実際にコンデンサに流れる電流(※ 回路に流れる電流)を計算してみましょう。

図1のような単純なRC回路があるとします。

図1

コンデンサの電荷は空の状態です。
この回路において、スイッチをONしてから10[ms]経過後にコンデンサには10[V]の電圧がかかっていたとします。
以上の条件のもと、コンデンサに流れる電流Iを求めてみます。

まずは、10[ms]経過することでコンデンサに蓄えられる電荷を求めます。

電荷Q[C]と静電容量C[F]と電圧V[V]の間にはQ=CVという関係が成り立っている為、Q=(5×10-6)×10=5×10-5[C]となります。
単位時間当たりの電荷の変化量が電流に値するので、I=ΔQ/Δt=(5×10-5)/(10×10-3)=5[mA]となり、コンデンサに流れる電流は5[mA]だとわかります。

電流が流れる/流れないという話がややこしいだけで、電流の計算自体はあまり難しくはないんですよね。

以上、「コンデンサに流れる電流」についての説明でした。