今回は「サーモラベル」についてです。
1.初めに
わからない用語を調べた際、用語の説明をするために他の用語が出現してくるので結局何を意味するのかわからなくなったという経験はありませんか?
私は結構あります。
特に、業界特有の用語なんてその業界の方は知ってて当たり前のように使用してくるので、全く解読できなかったりします。
残念ながら、本ブログに関しても同じことが言えます。
人それぞれどこまで理解しているかは当然異なってきますので、万人が理解できる記事を書くというのは不可能なのです。
超初心者に合わせて毎回基礎中の基礎から説明してたら本題に入れませんからね。
なので、本サイトでは基本的な用語から専門的な用語まで個別にまとめ、簡単に検索できるような構成にしてあります。
もしわからない単語が出てきたら、画面右もしくは最下部に表示されている「サイト内を検索」から用語を検索するか、トップの「用語集」ボタンにまとめた取り扱い用語一覧から目的の用語を検索してみてください。
2.サーモラベルとは?
サーモラベルとは、温度変化に伴い色も変化する発熱管理用のテープのことです。
電気設備にて、異常発熱の発生を検知するための保守管理によく使用されています。
温度によって色が変わるので、目視で簡単に発熱状況を把握することが可能という点がメリットです。
サーモラベルには、大きく分けて可逆性サーモラベルと不可逆性サーモラベルの2種類が存在します。
前者は異常発熱により変色しても温度が正常に戻れば色も元通りになりますが、後者は一度色が変化すると色は固定されます。
可逆性サーモラベルはリアルタイムで色が変化するわけなので、常に監視者がいる場合は有用です。
ちょっと温度測定をしたいけど熱電対を付けるのが面倒な場合なんかに便利です。
設備の温度監視に使用する場合、サーモラベルを常に監視する人員を確保するのは人件費の無駄遣いでしかないので、普通はある時間帯に定期的に点検するといった方法をとります。
その為、仮にAM10:00に異常発熱が発生していたけど定期点検時間のPM1:00には異常発熱が収まっていたとすると、装置に異常が発生していたことがわからなくなります。
これでは意味がありませんので、何らかの設備でサーモラベルを使用する場合、大体は不可逆性サーモラベルを使用します。
不可逆性サーモラベルなら一度異常発熱が起これば色は変化したままになりますからね。
サーモラベルは、基本的には指定の温度を超えると温度が変色するタイプのものが多いです。
60℃のサーモラベルがあれば、60℃付近になると色が変色するわけです。
ただ、ここで注意すべき点があります。
60℃“付近”になると温度が変化するのであって、60℃になったら温度が変化するのでは無いのです。
その為、サーモラベルを使用するのは、大まかな温度を知りたい時と考えると良いです。
高温になって温度が危ういと思っている部品があるのなら、素直に熱電対を付けましょう。
サーモラベルが変色し出す温度については、±何℃程度で変色するのかがどこかしらに記載されているはずですので、しっかりと確認しておくようににましょうね。
何色から何色に変化するのかもちゃんと載っているので、そこも気にして購入すると良いですよ?
ちなみに、65℃・70℃・75℃のように3つの温度のサーモラベルを一体化させたような種類も存在します。
例えば、日油技研工業のサーモラベルの場合、名称が3K-○○とか5E-○○というような形式になっています。
この頭の数字が“1”なら1つの温度、“3”なら3つの温度に対応しています。
仮に“3K-65”だった場合、65℃・70℃・75℃の3つの温度で変色するサーモラベルが一体型となったタイプを指しています。
EとかKというアルファベットは形状を指しています。
様々な種類があるので、調べてみると面白いですよ?
何個か参考として載せておきますね。



3.まとめ
サーモラベルとは、温度変化に伴い色も変化する発熱管理用のテープのことです。
以上、「サーモラベル」についてでした。