今回は、「リファレンスの設定方法」について記述していきます。
※CR8000を使用していた際のメモです。
目次
1.初めに
部品シンボルには、リファレンスというものが設定されています。
CAD上では、同一の部品を複数個使用するということは珍しくはありません。
そんな時に役立つ各部品を区別するための識別番号のようなものがリファレンスです。
英数字の文字列で表現され、抵抗なら「R001・R002」、コンデンサなら「C001・C002」、ICなら「IC001・IC002」のようにナンバリングしていきます。
※細かいルールは会社によって異なります。
CR8000の場合、このリファレンスを自動的に割り当てることが可能です。
今回は、そんなリファレンスの設定方法についてまとめてみました。
2.リファレンスの設定方法
では、もっとも基本的なリファレンスの設定方法から記述していきます。
方法は簡単で、部品を配置する際に「リファレンス」の横の「自動生成」にチェックを入れるだけです。
これをするだけで、既に使用されているリファレンスを除外して、新しいリファレンスがナンバリングされていきます。
図1からは、次に配置されるICは「IC603」になることがわかります。
ここでIC603を配置したとすると、リファレンスに+1されて「IC604」と表示されるようになりますので、次に配置するICのリファレンスは「IC604」となります。
また、リファレンスは部品シンボルを配置した後に変更することも可能です。
対象の部品シンボルをダブルクリックするか、右クリックして「属性変更」を選択します。
すると、「パネルメニュー」というウィンドウが表示され、ここに現在のリファレンスが表示されています。
このリファレンスを直接編集することが可能です。
ただし、自分でリファレンスを変更する際は注意が必要で、リファレンスは重複させることができてしまいます。
最終的にどこかでエラーを吐き出すかもしれませんが、少なくとも変更した際に何かエラーが出るわけではありませんので気を付けましょう。
3.選択部のリファレンス置き換え方法
リファレンスは数字2桁~3桁で表現していることが多いですが、やろうと思えばもっと多い桁で表現することが可能です。
なので、リファレンスの割り振り方は、広い範囲を存分に活かしていることが多いです。
例えば、24V電源から3.3V電源を作り出す回路関連はリファレンス“000”、24V電源から5V電源を作り出す回路関連はリファレンス“100”から始まるように割り当てたとしたら、リファレンスからどこの回路に使用されている部品なのかが想像できるようになるでしょう?
このようなリファレンスの割り当ては、自動生成することが可能です。
1つ1つ自分で編集しなくても、まとめて変更が可能なのです。
その方法を簡単に記述していきます。
①対象部品を選択する。
まずは、リファレンスを変更したい部品を全て選択します。
この時、抵抗やコンデンサなど、リファレンスのアルファベット部分が異なる種類も気にせず、全部選択してください。
ここでは、以下の抵抗とコンデンサを範囲選択したとします。
②選択コンポーネントのリファレンス自動生成ウィンドウを開く。
「設計アシスト」から「リファレンス作成」→「選択コンポーネントのリファレンス生成」を選択します。
①で対象部品を選択していないと「選択コンポーネントのリファレンス生成」は選べないようになっています。
③各種設定をする。
選択コンポーネントのリファレンス自動生成ウィンドウが開いているので、各種設定を行います。
設定を終えたら、「選択範囲外の空きゲートを参照する」にチェックを入れて「OK」を押しましょう。
これでリファレンスの置き換えが完了します。
しっかりとリファレンスの始まりが「900」になっているでしょう?
4.割り当てられていない部品のみリファレンスを自動で割り当てる方法
部品配置時にリファレンスの自動生成をするように設定していれば起こることではありませんが、部品にリファレンスの割り当てを忘れていることが無いとも言い切れません。
何かしらの理由でリファレンスを部分的に手動管理したとすると、重複しないように一時的に未入力にする…なんてこともあるかもしれませんから。
そうした場合に、リファレンスの割り当て漏れを無くす方法が存在しますので、この方法についてもメモしておきます。
先程割り当てたリファレンスを意図的に数ヶ所未入力にしたので、これらのリファレンスを実際に割り当ててみます。
①リファレンス自動生成ウィンドウを開く。
「設計アシスト」から「リファレンス作成」→「全シートリファレンス生成」を選択します。
②各種設定をする。
「ライブラリを参照する」にチェックを入れ、「空きコンポーネント及びゲートのみ」を選択します。
これで、全シートに対してリファレンスを割り当てていない部品のみ検出されます。
この状態で「OK」を押しましょう。
ちなみに、私は基本的にリファレンスを3桁で運用していますので、「リファレンスの桁数」を「3」にしています。
③保存するか選ぶ。
回路を更新したからその編集結果を保存するかどうかの確認ウィンドウが出現します。
「はい」なら即保存、「いいえ」なら後に自分で手動保存することになります。
「いいえ」だと結果確認後に保存できるということですので、基本的には「いいえ」を選んだ方が良いかと思います。
結果、以下のようにリファレンスの割り当てがされました。
この例の場合、「R101」や「C101」から割り当てをしていたので、「リファレンスの初期値」が「1」という設定通りに「R001」・「R002」・「C001」が割り当てられました。
ちなみに、目に見えているシート内のような“狭い範囲”でのリファレンスの割り当て漏れを修正する場合、「4.選択部のリファレンス置き換え方法」に従ってリファレンスの割り当てをすることも可能です。
対象を「空きコンポーネント及びゲートのみ」にするだけです。
5.リファレンスの空き番号を検索する
ここまではリファレンスを自動で割り付ける方法について説明してきましたが、このような操作って関係無いところまで変更されていないか不安になりませんか?
私は結構不安になる方の人間ですので、なんだかんだで手動でリファレンス設定することもあります。
手動変更で一番怖いのはリファレンスが重複することだと思いますので、ここではリファレンスの空き番号を検索する方法について記述していきます。
「設計」の「部品ライブラリ」を選択してコンポーネントパネルウィンドウを開きます。
まずは、配置したい部品を検索します。
ここでは抵抗を配置しようとしていますので、「CAD部品分類」は「R」で、リファレンスはRから始まる「RXXX(※Xには数字が入る)」になります。
この状態でリファレンスの横にある「自動生成」のチェックを外すと、「空き番号から選択」がクリックできるようになります。
すると、リファレンス空き番号ウィンドウが表示され、まだ割り当てをしていないRXXXの一覧が表示されます。
この中から、割り当てたいリファレンスを選択して「OK」を押すことで、未使用の特定のリファレンスに設定することが可能です。
6.リファレンスのシフト方法
リファレンスは、未使用のものを割り当てたり検索できるわけですが、もう1つできることがあります。
それは、リファレンスシフトです。
既に割り当てているリファレンスを、まとめて一定値シフトする(ズラす)ことが可能です。
この一定値というのは、正の方向/負の方向どちらにも可能です。
実際に見てみるのが早いので、以下のリファレンスをまとめて+5シフトさせようと思います。
まずは、リファレンスシフトさせたい部品を選択します。
この状態で「設計アシスト」の「リファレンス生成」から「リファレンスシフト」を選択します。
すると、リファレンスシフトウィンドウが開かれるので、リファレンス増減値を設定します。
ここでは+5させたいので「5」と入力します。
これでOKを押すと、リファレンスがシフトします。
リファレンス桁数を保持にチェックを入れるかどうかはその人の好みになります。
仮にチェックを入れなかった場合、「R001→R1」のように、桁数を増やすために挿入していた“0”は削除されます。
ちなみに、リファレンスシフトの結果リファレンス値が0以下になってしまう部品があった場合、その部品だけリファレンスが変わらなくなります。
ややこしいことになりますので、減算シフトする際は注意しましょう。
以上、「リファレンスの設定方法」についてでした。