今回は、「dBmとdBμの計算」についての説明です。
1.dBmとは?dBμとは?
デシベル表示の中には、dBmやdBμという変わった単位があります。
仮に電圧の単位がdBmやdBμになっていたとします。
この場合、前者は1mVを0dBmと定義した時の電圧の単位、後者は1μVを0dBμと定義した時の電圧の単位を意味します。
こんな感じに基準を設けてあるのです。
言葉ではわかりづらいので、何個か例を挙げて説明していこうと思います。
『そもそもdBって何?』という方は先に以下の記事を読んでください。

2.実際の計算例①
問)100mVは何dBm?
電圧利得をGv、電圧増幅度をAvと置くと、電圧利得は以下のように表せます。
Gv=20log10Av
1mVの時が0dBmなので、20log10(1mV)=20log10(100mV)=0dBmというように考えます。
なので、100mVの場合は以下のように考えます。
20log10(100mV)=20log10(102mV)=40dBm
ということで、100mVは40dBmです。
3.実際の計算例②
問)100mVは何dBμ?
先程はdBmで表しましたが、今度はdBμで表してみましょう。
1μVの時が0dBμなので、20log10(1μV)=20log10(100μV)=0dBμというように考えます。
基本の考え方は同じなのです。
なので、100mVの場合は以下のように考えます。
20log10(100mV)=20log10(105μV)=100dBμ
ということで、100mVは100dBμです。
4.実際の計算例③
問)10dBmは何mW?
電力利得をGp、電力増幅度をApと置くと、電力利得は以下のように表せます。
Gp=10log10Ap
1mWの時が0dBmなので、10log10(1mW)=10log10(100mW)=0dBmというように考えます。
なので、10dBmの場合は以下のように考えます。
10=10log10(ApmW)
1=log10(ApmW)
Ap=101=10
ということで、10dBmは10mWです。
5.実際の計算例④
問)-10dBmは何mW?
最後はマイナスの場合を考えていきます。
まあ、考え方は変わりませんけどね。
-10=10log10(ApmW)
-1=log10(ApmW)
Ap=10-1=0.1
ということで、-10dBmは0.1mWです。
定義さえしっかり押さえておけばなんとかなるので、迷ったら定義を書き出すといいですよ?
以上、「dBmとdBμの計算」についての説明でした。