【基礎から学ぶ物質構成】 ACF/異方性導電フィルムとは何なのか?

化学
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電気電子系の勉強を行う上で、昔学校で習った化学の知識が前提として必要なことがあります。
ですが、その都度調べると、情報過多で目的の情報に辿り着くまで時間がかかったりするんですよね。
そこで、自分で少し詳しく学び直し、まとめてみたのが本記事となります。
カテゴリが物質構成なら、必要に応じて専門的な内容も追加していきますけどね。

今回は、「ACF/異方性導電フィルム」についての説明です。

1.初めに

物質の基本的な構成や材料の種類などは本ブログにて大まかにまとめてきました。
なので、ここからは個別に気になった物質についてまとめていこうと思います。

厳密には、『知らない用語を調べてみたら特殊な物質だった』という感じですね。

2.ACFとは?異方性導電フィルムとは?

ACFとは、[Anisotropic Conductive Film]の略称です。
[Anisotropic(異方性)]+[Conductive(導電性)]+[Film(フィルム)]なので、異方性導電フィルム異方性導電膜などと呼ばれています。

具体的には、熱硬化性のエポキシ樹脂などの中に導電粒子を分散させたフィルムのことを指しています。
熱を与えると硬化する性質を持った導電性の薄いフィルム型接合材料というわけです。

フィルムのサイズは、膜厚10~45μm、幅0.4~20mm程度になります。
名称通り、フィルムと言える程薄いのです。

用途としては、ディスプレイを利用している部品・機器(スマートフォン・テレビ・カメラ・LCDモジュールなど)において、ディスプレイの電極と、プリント基板ICチップの電極を電気的に接続し、物理的に固定するために使用されます。
電極に対するコネクタやジョイントみたいな立ち位置の接合材料だと思っておけば良いです。
コネクタと違って非常に薄いので、省スペースで多数の電極を接続できると言う点が大きく異なりますけどね。

3.ACFの使い方と異方性の意味

続いて、ACFがどのように使われるかと、“異方性”導電フィルムという名称の由来について解説をしていきます。

ACFは、熱圧着して使用します。

今、ディスプレイ側の電極とICチップの電極があったとします。

図1

この各電極の間にACFを挟みます。

図2

この状態でACFを熱圧着すると、ディスプレイ側の電極-ACF-ICチップの電極という経路で導通するようになります
こんな感じに2つの物質を導通させるための接合材料として用いるわけです。

このように、熱圧着したACFは圧着方向(上下方向)に導電性を有します。
ただ、ACFが導電性を有する場合、この構成だと圧着方向と垂直の方向(左右方向)にも繋がってしまう為、全部の電極がショートすることになりますよね?

図3

ですが、実際にはそんなことにはなりません。
何故かと言うと、ACFが導通性を有するのは圧着方向だけだからです。

圧着方向に対して垂直方向(左右方向)には、寧ろ絶縁性を有します。
図で表すと以下のような働きをするわけです。

図4

このように、AFCは方向によって導電性と絶縁性の両極端な電気的性質を持つ物質なのです。
その為、電極の間にACFを挟むようにして熱圧着を実施すると、接続したい電極同士は導通させつつ、隣り合う電極同士は絶縁できるのです。

この性質は、ACF内に含まれる導電粒子によるものです。
簡単に言えば、電極-導電粒子-電極という繋ぎになれば、そこは導通します

電極と電極でACFを圧着すると、電極と電極の間に導電粒子が挟まり、押し潰されます。
だから、電極同士が繋がるのです。

逆に、圧着していない方向では樹脂内に導電粒子が疎らに浮いたような状態になっているので、導通しないのです。
図5でイメージするとわかりやすいかと思います。

図5

さて、ACFは方向によって秘めた性質が異なるという点は理解してくれたかと思います。

この“方向によって性質が異なる”という変わった性質には名前が付いています。
その名前は、“異方性”です。
つまり、異方性導電フィルムという名称は、「ある方向には導電性を持つけど、別の方向には導電性を持たないフィルム」という意味になっているんですね。
これが“異方性”導電フィルムという名称の由来です。
異方性という用語と一緒に覚えてしまいましょう。

ちなみに、異方性の反対は等方性です。
一応別途まとめてあります。

以上、「ACF/異方性導電フィルム」についての説明でした。