今回は、「ミキサー」についての説明です
目次
1.初めに
ミキサーって知っていますか?
身近にあるフードプロセッサーのこと…ではなく音響機器であるミキサーの方です。
音楽スタジオやライブ会場などで必ず使われています。
今回は、ミキサーとはどのような装置なのか、ミキサーにはどんな機能があるのかなどをまとめていきます。
2.ミキサーとは?
ミキサーとは、色んな音を混ぜて調整して出力する装置のことです。
文字通り“ミックス”しているわけですね。
正式名称はミキシング・コンソールで、PA(音響機器)の一種です。
ミキサーが実際にどう使われているかの説明をしていきますね。
例えば、ボーカル(マイク)・キーボード・ギター・ドラムという構成で演奏を行ったとします。
当然ながら楽器ごとに音の大きさが異なりますし、周波数の異なる高い音や低い音が入り混じるので音がバラバラに聞こえたりします。
つまり、普通に演奏するだけだと何かとバランスが悪くなってしまうわけですね。
そこで、これらの機器をミキサーのチャンネル(音声データの入口)に入力することで、各々の音量を調整したり低い音や高い音を人の耳で聞き取りやすいように綺麗にまとめたりした上で出力しているわけです。
その為、ライブやコンサートでは必ずと言っていいほどミキサーが使用されていて、客席ではどの程度のボリュームになっているのかをリアルタイムで判断しつつ、音量の調整をしていたりします。
実際に歌唱・演奏している人たちに聞こえている音と客席に聞こえる音はまた別ですからね。
3.ミキサーの入力チャンネルと出力チャンネル
先程、音響機器をミキサーのチャンネルに入力することで、各々の音量を調整したり低い音や高い音を人の耳で聞き取りやすいように綺麗にまとめた上で出力していると記述しました。
この入力チャンネルなのですが、マイク入力チャンネルとライン入力チャンネルの二種類が存在します。
マイク入力チャンネルとライン入力チャンネルには以下のような違いがあります。
その名の通りマイクを接続する用の入力チャンネル。
マイクはモノラルなので、占有するチャンネルは一つずつです。
また、マイクの音声信号は微弱なので、GAIN(アンプ)で信号を増幅する必要があります。
接続端子は、マイク入力端子の他にXLR端子とも呼ばれます。
キーボードやギターなどの楽器を接続する用の入力チャンネル。
接続端子は、ライン入力端子の他にフォン端子とも呼ばれます。
当然ですが、入力チャンネルは使用するマイクや楽器の数だけ必要になります。
それに対して出力チャンネルは、出力先となるスピーカーの数だけ必要になります。
ちなみに、YAMAHAのミキサーだと、マイク入力チャンネルはMIC、ライン入力チャンネルはLINE、どちらを入力としても問題無い場合はMIC/LINEと書かれています。
また、MIC/LINEの接続端子のことをコンポジャックと呼びます。
4.ミキサーの種類
ミキサーの種類は大きく分けてアナログミキサー・デジタルミキサー・パワードミキサーの三種類に分類されます。
入力された音声信号の調整をアナログ音源の状態のまま行うミキサー。
つまみを回すとそれに追随して変化するので、機能がシンプルで直感的に操作しやすい。
デジタルミキサーと比較すると安価。
入力された音声信号を一旦デジタルデータに変換してから調整を行うミキサー。
デジタルデータに変換することによって、つまみの位置を記憶していつでもミキサーの状態を再現することができたりと、アナログミキサーではできなかったことができるようになっている。
デジタルミキサーの場合はつまみやフェーダー(※後述)が複数の機能を兼用しているので、多機能な上にコンパクトになっているのが特徴です。
アナログミキサーにパワーアンプを内蔵したミキサー。
通常のミキサーの場合は音声信号が微弱なので、出力をパワーアンプに接続して音声信号を増幅してスピーカーに接続します。
パワードミキサーの場合、パワーアンプが内蔵されているのでパワーアンプを用意する必要がなく、そのままスピーカーに接続して使用することができます。
5.ミキサーの機能と用語
ミキサーとはどんな装置なのかは大体理解できたかと思います。
ですが、どのつまみを弄れば何ができるかまでは実際に使用してみないとわからないですよね?
なので、ミキサーの特定の機能を意味する用語について触れていきます。
つまみの近くに以下の用語が書かれていたら、そのつまみが何のためにあるのかがわかるようになりますからね。
知っておいて損はないです。
GAIN
入力される信号の大きさを表す。
LEVEL
チャンネルの音量を表す。
GAINを増幅するか減衰するかを調整する。
COMP
コンプレッサーのことです。
適切な音量にしたり、音圧をコントロールします。
コンプレッサーについては別途まとめています。

EQ
イコライザーのことです。
特定の周波数帯域を増幅・減衰することで音質を整える。
HIGH・MID・LOWと書かれていた場合、高音域・中音域・低音域をそれぞれ調整するためのつまみだということです。
イコライザーについてはまた別途まとめています。

HPF
ハイパスフィルターのことです。
入力された音から不要な低周波数帯域をカットするフィルターです。
高い(High)周波数を通す(パスする)フィルターということですね。
マイク入力チャンネル、マイク/ライン入力チャンネルには標準搭載されていることが多いですが、ライン入力チャンネルのみの場合は搭載されていないことがあります。
なんでマイク入力チャンネルにHPFが標準搭載されていることが多いのかと言うと、低周波数帯域を除去するとポップノイズ(※)などが取り除かれて、不要な音をシャットアウトできるからです。
※ポップノイズとは?
ポップノイズとは、『ポフッ』・『パフッ』・『ボッ』などのポップする(弾ける)ような音をしたノイズのことです。
例えば、カラオケでマイクをONにした状態で息を吹きかけると、『ボッ』って音が鳴りますよね?
あの呼吸音をマイクが拾った音なんかがポップノイズです。
また、マイクをONにした瞬間にも『ボッ』という音が鳴ることがありますよね?
これもポップノイズです。
「ぱぴぷぺぽ」・「ばびぶべぼ」の破裂音に聞こえる擬音を総じてポップノイズというわけです。
なので、ぶっちゃけ「この音がポップノイズ」という定義は無いです。
発生原因がなんだろうと、ポップノイズっぽく聞こえたらそれはポップノイズなんです。
ちなみに、ノイズポップにするとロックのジャンルの一つになるので意味が変わってしまいます。
FBS
フィードバックサプレッサー[FeedBack Suppressor]のこと。
[suppressor]は[抑圧するもの]という意味です。
ハウリング(マイクが『キーン』と甲高い音を出す現象)を自動で検知・抑制する機能のことです。
ハウリングはスピーカーとマイクの距離や位置を調整したりすることである程度は対処可能です。
それでもハウリングが防げない時にFBSが活躍します。
スピーカーから出ている音(ハウリング付き)をフィードバック(出力を入力側に戻すことで出力を監視して補正すること)させることで、ハウリングを発生させている周波数帯域を自動で検知して抑制してくれるのです。
自動で『この音五月蠅いな』と判断して調整してくれる機能だと思ってくれればOKです。
パン
左右の音の出力バランスを調整するつまみのことです。
PANと書かれていることがあります。
このつまみを回すと、ステレオ(二つのスピーカーの音声を利用して音に立体感を出す両耳用の音源)の左右の音のバランスが変化します。
真ん中(center)にある時は左右のバランスが均等、左(left)に回しきると左のスピーカーからしか音が出なくなり、右(right)に回しきると右のスピーカーからしか音が出なくなります。
基本的には定位置から動かすことは無いです。
EFF
エフェクトのことです。
音声にエフェクトを付けることができます。
例えば、音に残響音や反射音を加えることで、空間的な深みや広がり感を出すリバーブというエフェクトがあります。
フェーダー
ミキサーなどで各入力チャンネルや出力の音量調整をする機能のことです。
英語の綴りが[fader]なので、FDと略されていることがあります。
フェーダーを上下にスライドさせることで簡単に音量を調整することが可能です。
🎚←こんな見た目をしているものが一般的です。
フェーダーと入力すると環境依存文字であるこの絵文字が出てくる程度には一般認知されているということなのでしょうか…?
※環境依存文字なので、人によってはこのフェーダーの絵文字は表示されていないかもしれません。
最初に述べたように、フェーダーとは厳密には音量調整をする機能のことを指した用語です。
なのですが、ミキサーにおいてつまみを上下にスライドさせる方式が最も普及しているからか、このスライドして音量を調整するという機能を持った部品自体をフェーダーと呼んでいることがあります。
一概に間違えているとは言えませんが、別にスライド式ではなく回転式でもフェーダーはフェーダーなので、あくまで音量を調整する機能がフェーダーだと覚えておきましょう。
また、フェーダーをコントロールするための信号ラインのことをFDC(フェーダーコントロール)と表現していることもあります。
以上、「ミキサー」についての説明でした。





