【基礎から学ぶ基板】 表面実装用パッケージの種類 ~SOP・SOIC・SON・QFP・QFN・LGA・BGA・CCGAについて~

電気電子
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私たちの身の周りには、電気で動く製品が多々存在します。
そんな製品の機能は、内部に組み込まれている“プリント基板”というものによって決められています。
今回は、そんなプリント基板についての知識を、1から調べ直してわかりやすくまとめてみました。

今回は、「表面実装用パッケージの種類」についての説明です。

1.実装タイプによるパッケージの違い

過去の記事で説明していますが、プリント基板はんだ付けする部品の実装タイプには、DIPタイプ(リードタイプ)とSMTタイプ(表面実装タイプ)が存在します。

ただ、DIPタイプやSMTタイプと言っても、パッケージの種類は多々あります。
今回は、SMTタイプに当たる表面実装用のパッケージの種類を紹介していこうと思います。

今回取り上げるのは、SOP・SOIC・SON・QFP・QFN・LGA・BGA・CCGAの8種類です。
※細かい種類分けをするともっと存在しますし、メーカによって特殊な呼び方をしている場合もあります。

2.SOPとは?SOJとは?

SOPとは、[Small Outline Package]の略称です。
接続ピンが2側面方向に出ているパッケージのことです。

参考:Amazon

SMTタイプなので、接続ピンはパッケージに対して水平方向に向いています。
水平とは言え、ガルウイング状という2度折れ曲がったような形状をしています。

あまり見かけることはありませんが、接続ピンの形状が“J”になっている種類も存在し、このタイプはSOJ[Small Outline J-leaded package]と呼びます。

また、後述のSOICと形状が似通っており、見た目上の違いはパッケージ幅しかありません。
明確な違いは、SOPはJEITA規格、SOICはJEDEC規格に基づいた部品だという点です。
どちらも1.27mmピッチが一般的です。

3.SOICとは?

SOICとは、[Small Outline Integrated Circuit]の略称です。
接続ピンが2側面方向に出ているパッケージのことです。

先程述べたように、SOPとはパッケージ幅しか見た目上の違いがありません。

4.SONとは?

SONとは、[Small Outline Non-leaded package]の略称です。
接続パッドが2側面に配置されているパッケージのことです。

リードが存在しないので、チップサイズ≒実装面積となり、コンパクトなパッケージとなっています。

視覚上は2側面しか接続パッドが無くても、底面にGND用の大き目のパッドが用意されていることが多いので、手はんだで取り外す場合はデータシートを確認するのが無難です。

5.QFPとは?QFJとは?

QFPとは、[Quad Flat Package]の略称です。
接続ピンが4側面方向に出ているパッケージのことです。

QFP部品の変換基板 参考:Amazon

前述のSOPの接続ピンが2側面方向から4側面方向に変わると、名称も変わるんです。

ちなみに、SOPと比べてピッチ幅が0.3mm幅などの狭いタイプも用意されていて、より専有面積を抑えることが可能です。

また、SOP同様に接続ピンの形状が“J”になっている種類も存在し、このタイプはQFJ[Quad Flat J-leaded package]と呼びます。

6.QFNとは?

QFNとは、[Quad Flat Non-leaded package]の略称です。
接続パッドが4側面に配置されているパッケージのことです。

参考:Amazon

前述のSONの接続パッドが2側面方向から4側面方向に変わると、名称も変わるんです。

リードが存在しないので、チップサイズ≒実装面積となり、コンパクトなパッケージとなっています。

視覚上は4側面しか接続パッドが無くても、底面にGND用の大き目のパッドが用意されていることが多いので、手はんだで取り外す場合はデータシートを確認するのが無難です。
まあ、4側面ともなると、底面がくっついていなくとも取り外すのは結構難しいですけども。

7.LGAとは?

LGAとは、[Land Grid Array]の略称です。
その名通り、ランドがパッケージの底面に格子状に配置されています。

参考:Amazon

はんだ付けする箇所が底面にしかないので、普通のはんだ小手での取り付け/取り外しはできません。
その代わり、端子がパッケージからはみ出ることはないので、実装面積が非常に小さく済みます。

接続密度が高い・電気特性が良い・実装不良/接続不良が少ない・放熱性に優れるなどのメリットを持つ反面、検査や修正が難しいというデメリットを持っています。
はんだ付け箇所が底面に集中しているので、一度実装すると外観からはんだ不良の確認はできませんし、仮に不良があったとして普通のはんだ小手では修正のしようが無いですからね。

はんだが用意されていないので、実装する際はメタルマスクを使ってクリームはんだを基板側に塗り込む必要があります。
もしくは、LGAを挿入する用のソケットを基板に実装しておく方式を取ることも可能です。
この実装方式を取っていた場合、LGAは取り外しが可能になります。

CPUなどのピン数の多いICは、LGAのような表面実装且つ格子状の接続パッドを持つパッケージを使用している場合が多いです。

8.BGAとは?CSPとは?

BGAとは、[Ball Grid Array]の略称です。
前述のLGAのランドがボール状のはんだに置き換わったパッケージです。

ボール状のはんだのピッチは製品ごとに様々で、1.27mmピッチ・1.0mmピッチ・0.8mmピッチなどが存在します。
どんどん小型化が進んでいるので、0.4mmピッチなんてものもあります。

また、使用している半導体チップと同サイズまで縮小したBGAパッケージのことを、CSP[chip size package]と呼びます。
名称通り、半導体chipサイズまでパッケージを縮小してあるのです。

9.CCGAとは?

CCGAとは、[Ceramic Column Array]の略称です。
前述のBGAのボール状のはんだが円柱状のはんだに置き換わったパッケージです。

10.まとめ

今回説明した表面実装用のパッケージは、まとめると以下のような分類になります。

以上、「表面実装用パッケージの種類」についての説明でした。