【基礎から学ぶ基板】 部品の実装タイプ ~DIPタイプとSMTタイプの違い~

電気電子
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私たちの身の周りには、電気で動く製品が多々存在します。
そんな製品の機能は、内部に組み込まれている“プリント基板”というものによって決められています。
今回は、そんなプリント基板についての知識を、1から調べ直してわかりやすくまとめてみました。

今回は、「部品の実装タイプ」についての説明です。

1.初めに

PCBというものを見たことがあるでしょうか?
電気製品の中に入っている緑色の基板のことです。
青色などの場合もありますが、大体は緑です。

ミリ単位の抵抗やコンデンサ、ICやコネクタなど様々な部品が実装されていて、素人が見ても“なんかすごい”以上の感想が出てこないと思われるアレです。
トップ画像みたいなヤツです。

そんなPCBですが、部品の実装タイプはDIPタイプSMTタイプに二分されます。
今回はその2タイプについて簡単にまとめてみました。

2.DIPタイプとは?

“DIP”とは、[Dual In-line Package]の略称です。

DIPタイプはリードタイプとも呼ばれています。
リード線が部品から延びている為、基板の穴(スルーホール)にリードを挿して基板の裏側からはんだ付けすることで固定して使用します
なので、[Through Hole type]と表示されている場合もあります。

例えば、学校で以下のような抵抗を見たことはありませんか?

図1

この抵抗は炭素皮膜抵抗器(左)と金属皮膜抵抗器(右)というのですが、抵抗から針金のようなものが伸びてますよね?
この針金みたいなのがリード線です

リードが延びているので否応にもサイズが大きくなるのがデメリットです。
リードのタイプによっては折り曲げて実装をする必要がある為、その分占有範囲が大きくなってしまうのです。
逆に言うと手実装がしやすいというメリットが生まれる為、構想の確認としてユニバーサル基板で実際に回路を組んでみる場合などにDIPタイプが好んで使われます。

3.SMTタイプとは?

表面実装タイプのことを指しています。
Surface Mount Technology(表面実装技術)の略です。
基板の表面に部品を置いてはんだ付けできるように考えられたタイプです

DIPタイプのように穴(スルーホール)を空ける必要は無いので場所を占有せず、超小型化が可能です。
トランジスタ・CPUなどのIC部品はSMTタイプが主流ですね。
チップ抵抗なんかは縦横比が0.6mm×0.3mmという吹けば見失うレベルのサイズの製品もあります。
0.4mm×0.2mmもあるけどね。

デメリットは小さくし過ぎたことにより慣れないと手実装が難しいという点です。
0.6mm×0.3mmのチップ抵抗やASIC(足が80本くらいあったりする)なんかは苦労します。
※ できない訳ではない。

また、種類によっては部品の底にはんだ付けする箇所がある為、部品ごと熱さない限り取り外しが不可能な場合もあります
総じて取り外しづらいと言えますね。

呼び方はSMT以外にも多々あり、SMD[Surface Mount Device:表面実装デバイス]SOP[Small Outline Package]とされている場合があります。

4.量産時の実装方法

PCBが量産される時の流れを簡単に書いておきます。

部品がまだ載っていないプリント基板(PWB・生基板・生板などと呼ばれる)にメタルマスクというものを被せて必要な箇所にのみ微小な粒状のはんだペーストを塗ります。
はんだペーストを塗った箇所にマウンター(基板に部品を実装する機械)で部品をピンポイントで実装して、炉の中を通すことではんだを溶かします。

炉を出てきた基板を冷やして実装完了です。

試作時にはたまに炉の中で基板がコンベアから滑落して出てこなくなったり、部品の高さの問題で炉に干渉して配置がズレることがあります(笑)
…ほんと笑うしかなくなるんだよなぁ。

以上、「部品の実装タイプ」についての説明でした。