【基礎から学ぶトランジスタ】 トランジスタの接地方式

電気電子
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私たちの身の周りにある電子製品には、様々な電子部品が使用されています。
そんな中でも、特に根幹的な部分に使用されている重要な部品として、トランジスタという部品が存在します。
何かしらのICが存在したのなら、トランジスタはほぼほぼ使用されています。
本記事では、そんなトランジスタの種類・構造・特性などについてまとめてみました。

今回は、「トランジスタの接地方式」についての説明です。

1.トランジスタの接地方式

トランジスタにはベース・エミッタ・コレクタの3端子があり、これらの端子は入力端子・出力端子・入出力共通端子の何れかとして使用します。
接地方式の名称は入出力共通端子をベース・エミッタ・コレクタのどれにするかで決まり、3端子の名前を取ってそれぞれベース接地エミッタ接地コレクタ接地と呼びます。
もしくは、ベース共通回路・エミッタ共通回路・コレクタ共通回路と呼びます。
何れにせよ、入出力に共通して使用する端子を名称に当て嵌めているわけです。

各接地方式を部分的に切り取ると以下のようになります。
この形で見れば入出力共通端子という意味がわかるかと思います。

図1

それぞれの接地方式の特徴について個別に説明していきます。
ここでまとめるのは触りの部分とし、詳しくは別途まとめていきます。

ベース接地

入出力端子をベースにした接地方式。
入力端子がエミッタ、出力端子がコレクタになっている。
その為、ベース接地回路の電流増幅率はコレクタ電流の変化量ΔIC÷エミッタ電流の変化量ΔIEとなります
その電流増幅率は0.950~0.995とほぼ1になりますが、電圧増幅率は高いです
高周波特性が良い入力インピーダンスが低い出力インピーダンスが高いといった特徴を持ちます。

エミッタ接地

入出力端子をエミッタにした接地方式。
入力端子がベース、出力端子がコレクタになっている。
その為、エミッタ接地回路の電流増幅率はコレクタ電流の変化量ΔIC÷ベース電流の変化量ΔIBとなります
その電流増幅率は20~200と高く、電圧増幅率も高いです
3つの接地方式の中で主要に扱われているのがエミッタ接地方式です。
その為、電験三種などで勉強として取り扱う場合は大体エミッタ接地について触れています。

コレクタ接地

入出力端子をコレクタにした接地方式。
入力端子がベース、出力端子がエミッタになっている。
入力電圧に追随して出力電圧(エミッタ)が変化することから、エミッタフォロワとも呼ばれます。
その為、コレクタ接地回路の電流増幅率はエミッタ電流の変化量ΔIE÷ベース電流の変化量ΔIBとなります
電圧増幅率がほぼ1入力インピーダンスが高い出力インピーダンスが低いといった特徴を持ちます。
部分的な構成は図2のようになっています。

図2

2.まとめ

各接地方式の端子の使い方をまとめると、以下のようになります。

回路名入力端子出力端子入出力端子
エミッタ共通回路ベースコレクタエミッタ
コレクタ共通回路ベースエミッタコレクタ
ベース共通回路エミッタコレクタベース

以上、「トランジスタの接地方式」についての説明でした。