今回は、「mp3やm4aなどのオーディオデータが再生される仕組み」についての説明です
1.初めに
家で音楽を再生する場合、何かしらの記録メディアからオーディオデータを読み取って使用しているかと思います。
記録メディアと言われると何のことか想像できないかもしれませんが、一昔前ならカセットテープやCD、洒落た人ならレコード、最近ならmp3やm4aという拡張子のデータが該当します。
これらのメディアを利用していることは知っているかと思いますが、具体的に何をどうすることで音楽の再生までこじ付けているのか、気になりませんか?
今回は、オーディオデータが音楽として再生されるまでの仕組みを簡単に説明していこうと思います。
2.音楽再生されるまでの工程
メディアに保存されたオーディオデータを音楽再生するまでのステップは、大きく分けて以下の3ステップとなります。
①オーディオデータを読み取る。
②信号を増幅する。
③実際の音声として再現する。
それぞれ補足説明していきますね。
①オーディオデータを読み取る
まずは、メディアに保存されているオーディオデータを読み取って電気信号に変換する装置が必要です。
当然ながらメディアの種類によって変換に必要な装置は変わってきます。
例えば、レコードなら針を当てることでデータを読み取りますし、CDなら表面に焼き付けられている窪みにレーザー光を照射した際の反射光のパターンからデータを読み取ります。
まあ、最初に3ステップあると言ったことからわかる通り、読み取るだけでは意味が無いですけどね。
②信号を増幅する
オーディオデータを音声として再現する装置を駆動させるには、入力される信号がそれ相応に大きなエネルギーを有していなければなりません。
その為、読み取ったオーディオデータを変換した電気信号を増幅する必要があります。
ここで登場するのが“オペアンプ(増幅器)”です。
よく『アンプを通す』とか聞きませんか?
この“アンプ”が“オペアンプ”のことです。
アンプを通して電気信号を増幅するわけですが、注意点があります。
それは、増幅する際に電気信号の形状はなるべく変化させてはいけないという点です。
簡単な話、電気信号の形状が変化するということは、再生される音声も変化してしまうんですよ。
なので、オペアンプの性能も大事になってきます。
③実際の音源として再現する
後は、電気信号を元に音源を再現するだけです。
“だけ”と言っても、ここが大変なんですけどね。
メディアに保存されているオーディオデータは、デジタルデータです。
ですが、自然界に存在するデータはアナログデータです。
つまり、音も例に漏れずアナログデータです。
なので、デジタルデータをアナログデータに変換する必要があります。
デジタルからアナログへの変換なので、D/Aコンバータ(デジタル/アナログ変換器)が使用されます。
このD/A変換を行うタイミングですが、アンプで信号を増幅する前だったり後だったりします。
どちらにしろ変換は必要だという点だけ理解しておけば問題無いです。
デジタル値をアナログ値に変換するので、その変換精度が低いと音源としての再現度は低くなってしまいます。
その為、D/Aコンバータの性能の良し悪しが音質に直結すると考えましょう。
こうしてアナログ値に変換されたデータがスピーカーに入力されます。
スピーカーは、入力された電気信号に応じて振動します。
その振動が空気を震わせ、私たちの耳がその空気振動捉えることで“音”として認識するのです。
以上が、オーディオデータが再生される仕組みです。
要するに、元々の音源の“振動”というアナログデータを取り扱いやすいデジタルデータという形式で保存したものがオーディオデータなのです。
だから、それを逆変換して、元のデータを再現しようとしているだけなんですね。
この機能がスマートフォンやPCなんかに搭載されているから、当たり前のようにオーディオ再生ができているのです。
3.音源をデジタルデータに変換している理由
上記の説明を見ていてこう思いませんでしたか?
『最初からアナログデータのまま保存すれば良いのでは?』と。
確かに、それができたらデジタルデータと比較してはるかに生の音源に近い音声を再現できるでしょう。
ですが、それをしないということは、それ相応の理由があるのです。
端的に言うと、アナログデータのままだとデータ量が膨大になります。
アナログデータとは、連続的なデータのことです。
例えば、10秒経過後に温度が0.1℃上昇したとします。
この場合、10秒経過したタイミングで0.1℃上昇するわけがないですよね?
0~10秒の間に、上昇したり下降したりと変化があるはずです。
アナログデータで保存するというのは、この小さな変化を全部データ化するということなのです。
デジタルデータの場合、厳密には違いますが、0秒地点と10秒地点の温度データを部分的に保存するようなイメージになります。
どちらの方がデータ量が多いか、データが取り扱いやすいかは一目瞭然でしょう?
では、実際に必要になるデータが1分ごとの温度変化量だった場合、アナログデータとして保存した0~10秒の間の綿密なデータはどうなるでしょうか?
はい、全部無駄になります。
つまり、データ量が膨大な割には無駄なデータが多くなるんですよ。
だから、ある程度のデータ量に抑えたデジタルデータを使用しているのです。
ただ、音声をデジタルデータ化するということは、ある程度音声データをぶつ切りにすることになります。
そんなことして大丈夫かと思うかもしれませんが、mp3やm4aなどの音声データから再現された音声をオーディオ機器で聴いても別に違和感は無いでしょう?
人間の耳で捉える音ってそんなものなんですよ。
なので、人間にとって違和感が無いレベルで効率的にオーディオデータを取り扱うのなら、デジタルデータの方が都合が良いのです。
4.音源をアナログデータにしているもの
音源はデジタルデータにした方が都合が良いことは解説しましたが、アナログデータで保存されたメディアが無いわけではありません。
寧ろ、古くから存在します。
それがレコードです。
レコードは針を直接当てて何かやっていることは知っているかと思います。
アレは、レコードの表面の溝を針でなぞった時の振動を電気信号に変換する仕組みになっています。
外側から内側に向けて1本の長い溝が形成されていて、外周側の内壁にRチャンネル(ステレオ信号の右耳側)、内周側の内壁にLチャンネル(ステレオ信号の左耳側)の音声データが記録されています。
要するに、記録したい生の音声により発生する地続きの振動(アナログデータ)を、そのままレコードに書き込んでいるんです。
その為、レコードという媒体を使えば生の演奏ならではの抑揚などの表現も機敏に記録されており、その振動をそのまま再現できるので、音がより一層リアルに感じれるようになります。
だからこそ、生音至上主義の愛好家の方々は、レコードを愛用しているわけです。
まあ、大体の人は一般的なmp3や音質がよくなったハイレゾで満足するんですけどね。
以上、「mp3やm4aなどのオーディオデータが再生される仕組み」についての説明でした。






