今回は、『着目』と『注目』の意味の違いについてです。
基本的に結論だけ見ておけば知りたいであろう内容は載っていると思います。
より詳しく、雑学として知っておきたい場合は以降の項にも目を通してみましょう。
1.結論
「着目」は「特に注意して見る・目をつけること」、「注目」は「意識を向けて関心を寄せること」を指しています。
とは言え、「着目」も結局は意識を向けているので、どちらを使用しても一応意味が通る状況があるかと思われます。
なので、「着目」は「目をつける」、「注目」は「意識を向ける」というイメージだけでも頭の片隅にインプットしておきましょう。
2.辞書から考える
まずは「着目」の意味です。
[名](スル)
特に注意して見ること。目をつけること。また、目のつけどころ。着眼。「着目に値する提案」「ある現象に着目して新しい発見をする」
引用:weblio国語辞典 デジタル大辞泉
次に、「注目」の意味です。
意識して目を向けて動向や詳細を調べること、または注意しているさまなどを意味する表現。
引用:weblio国語辞典 実用日本語表現辞典
「着目」は「目をつける」、「注目」は「目を向ける」ですね。
意味合いは異なりますが、状況によってはどちらを使っても問題無さそうなところが混乱を生みそうです。
3.実際の使用ケースから考える
次に、「着目」と「注目」が実際にどう使い分けられているかについて考えていきます。
自分が学校の教師という立場だったとして、授業中に生徒の私語が目立っていたとします。
この場合、意識を向けさせるために『注目!』とは言っても『着目!』とは言いませんよね?
この例の場合、『集中力が乱れてきているので集中してこっちを見るように』という意味を込めての発言となります。
なので、「目を向ける」という意味合いの「注目」の方が正しいです。
漫画の導入部分で、普段は平凡な主人公だけどふとした瞬間に秘められた才能を発揮しているのを目撃して「目をつけてくる」キャラっていますよね?
周りは気付いていないけど私だけは見抜いているみたいなヤツです。
この場合、『私は以前から彼の才能に着目していた』になります。
似たような意味に感じますが、よくよく考えると「着目」は「目を向ける」、「注目」は「目を向けさせる」という対象の違いがあるんですよね。
そこを意識していけば誤用することは減るかもしれませんね。
「着目」と「注目」の違いを深く理解して指摘してくるような人はいないだろうけどさ。
以上、『着目』と『注目』の意味の違いについてでした。