【基本がわかる用語解説】 ECとは?/EUとは?/ECSCとは?/EECとは?/EURATOMとは?

用語
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普段使いしているけどよくよく考えると説明が難しい単語ってありませんか?
この記事は、私が疑問に感じた用語について調べてまとめたものとなっています。
イメージ重視で『ああ、そんな感じか』と理解したい人向けです。

今回はEC/EU/ECSC/EEC/EURATOM」についてです。

1.初めに

わからない用語を調べた際、用語の説明をするために他の用語が出現してくるので結局何を意味するのかわからなくなったという経験はありませんか?
私は結構あります。
特に、業界特有の用語なんてその業界の方は知ってて当たり前のように使用してくるので、全く解読できなかったりします。

残念ながら、本ブログに関しても同じことが言えます。
人それぞれどこまで理解しているかは当然異なってきますので、万人が理解できる記事を書くというのは不可能なのです
超初心者に合わせて毎回基礎中の基礎から説明してたら本題に入れませんからね。

なので、本サイトでは基本的な用語から専門的な用語まで個別にまとめ、簡単に検索できるような構成にしてあります
もしわからない単語が出てきたら、画面右もしくは最下部に表示されている「サイト内を検索」から用語を検索するか、トップの「用語集」ボタンにまとめた取り扱い用語一覧から目的の用語を検索してみてください。

2.ECとは?/EUとは?/ECSCとは?/EECとは?/EURATOMとは?

最初はECとEUの意味だけまとめようと思ったのですが、芋づる式にECSU・EEC・EURATOMについても簡単に知っておく必要が出てきたので、一挙にまとめて解説していきます。
全体的な変遷のイメージは以下の通りです。

図1

ECSCとは?欧州石炭鉄鋼共同体とは?

ECSCとは[European Coal and Steel Community]の略称で、欧州石炭鉄鋼共同体のことを指しています。
1951年に創立されました。

フランスとドイツの国境付近には炭鉱があり、その利権を巡って当時は争いが度々起こっていました。
なので、『埒が明かないから第三者目線で判断する組織を作ろう』と考えてできた連合がECSCです
石炭・鉄鋼の生産・価格・労働条件を共同で管理するようになったのです。

ECSCの加盟国は、フランス・ドイツは当然として、そこに・イタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクが加わった計6ヵ国です。
この6ヵ国は原加盟国とも呼ばれています。
なぜそんな呼ばれ方をしているのかと言うと、このECSCが2023年時点のEUの前身となる組織に当たるからです。
一番最初の創立した時からのメンバーだからということです。

EECとは?欧州経済共同体とは?

EECとは[European Economic Community]の略称で、欧州経済共同体のことを指しています。
1958年に創立されました。

EECには、ある意味前身となっている組織があります。
それが先述のECSCという石炭や鉄鋼の利権に関する集まりです。

この集まりができたことを発端に、経済発展のための考えを確立する組織であるEECもできました。
関税の設定・労働力の移動の自由・流通の自由などが定められたようです。

EECの加盟国は、フランス・ドイツ・イタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの計6ヵ国です。
ECSCと同じです。

EURATOMとは?欧州原子力共同体とは?

EURATOMとは[European Atomic Energy Community]の略称で、欧州原子力共同体のことを指しています。
1958年に創立されました。

EURATOMには、ある意味前身となっている組織があります。
それが先述のECSCという石炭や鉄鋼の利権に関する集まりです。

この集まりができたことを発端に、原子力の技術開発やその平和的な利用方法の確立を目的とした組織であるEURATOMができました。

EURATOMの加盟国は、フランス・ドイツ・イタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの計6ヵ国です。
ECSCと同じです。

ECとは?欧州共同体とは?

ECとは[European Community]の略称で、欧州共同体のことを指しています。
1967年に創立されました。

ECは、先述のECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)とEEC(欧州経済共同体)とEURATOM(欧州原子力共同体)を統合して新しく誕生した組織です。
何れも欧州(ヨーロッパ)の組織だったので、欧州の共同体というスッキリした名称になっていますね。

ECの加盟国は、フランス・ドイツ・イタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの計6ヵ国でした。
ECSC・EEC・ECRATOMと変わりはありません。

ちなみに、EC時点では後述のEUにある貨幣の統一や加盟国間の移動の制限の撤廃など、盛り込まれていない内容がそこそこあります。
そうして新たな決まりを増やしていく過程で、[Community(共同体)]という表現が[Union(連合)]に置き換わったそうな。

EUの3本柱の内の1本としてECが吸収されたという記述も見かけるので、実際どれが本当なのかよくわからないんですけどね…。
とりあえずEC⇒EUという順番だということだけ覚えておけば充分だと思います。

EUとは?欧州連合とは?

EUとは[European Union]の略称で、欧州連合・ヨーロッパ連合のことを指しています。
1993年に創立されました。

ヨーロッパの経済を加盟国が一丸となって発展させることを目的とした集まりです。

大まかな政策としては、以下のようなものがあります。

  • 貨幣をユーロに統一する。
  • 加盟国内の輸出入の制限を無くす。
  • 加盟国間の移動の制限を無くす。
  • 共通した法律を定める。

※ただし、加盟国が全てこれに準ずるわけではない。

何故EUができたのか簡単に説明していきますね。

第二次世界大戦の際、ヨーロッパ各地は戦場になっていました。
ヨーロッパの地図を意識してみればわかると思いますが、ヨーロッパは小さめな国が結構密集しています。
そんな小さめな国同士も敵味方入り乱れて戦争をしていたのでその爪痕は酷く、二度と同じことは繰り返さまいと考えました。
『もう二度とこんなことを起こさないようにはどうすれば良いのか?』と考えた時に、『ヨーロッパの国でまとまればいいじゃん』という思考を基にできた集まりが発端となっています。

そうして、ECSC・EEC・ECRATOMを統合してできたECを前身として、時代を経てEUに変化しました

ちなみに、2022年時点では27ヵ国が加盟しています。
2020年時点でイギリスがEUを離脱して、28ヵ国から27ヵ国になっています。

以上、EC/EU/ECSC/EEC/EURATOMについてでした。