今回は「正孔(ホール)」についてです。
1.初めに
わからない用語を調べた際、用語の説明をするために他の用語が出現してくるので結局何を意味するのかわからなくなったという経験はありませんか?
私は結構あります。
特に、業界特有の用語なんてその業界の方は知ってて当たり前のように使用してくるので、全く解読できなかったりします。
残念ながら、本ブログに関しても同じことが言えます。
人それぞれどこまで理解しているかは当然異なってきますので、万人が理解できる記事を書くというのは不可能なのです。
超初心者に合わせて毎回基礎中の基礎から説明してたら本題に入れませんからね。
なので、本サイトでは基本的な用語から専門的な用語まで個別にまとめ、簡単に検索できるような構成にしてあります。
もしわからない単語が出てきたら、画面右もしくは最下部に表示されている「サイト内を検索」から用語を検索するか、トップの「用語集」ボタンにまとめた取り扱い用語一覧から目的の用語を検索してみてください。
2.正孔(ホール)とは?
正孔[Electron hole]とは、正の電荷を持った仮想的な粒子のことです。
“仮想的”と言っている通り、実際にそんな粒子は存在しません。
厳密には電子の抜けた孔のことを指しています。
電子は負の電気を帯びています。
半導体中には電子が拘束されているのですが、ここに外部からエネルギーを与えたりすると、拘束を振り切って自由に動き回ることができるようになります。
そうすると、元々電子が拘束されていた場所には電子が居なくなり、ポッカリと孔が空くわけです。
この孔は電子を失っています。
ということは、負の電気を失っている…逆に言うと、正の電気を帯びていると考えることができます。
だから正(の電荷を持った粒子と考えることができる)孔なのです。
孔なので、ホールとも呼ばれます。
正孔は、電子が嵌まっている状態が一番安定しています。
その為、正孔に向けて周りから電子が移動してきます。
すると、その電子が移動してくる前の元の居場所が正孔になり、その正孔に向けてまた別の場所から電子が移動してくるようになります。
この繰り返しにより正孔が移動しているように見えるので、正孔は正の電荷を持った仮想的な粒子と考えられるわけです。
要は、バケツリレー方式で正孔は移動していくのです。
3.まとめ
正孔(ホール)とは、正の電荷を持った仮想的な粒子のことです。
以上、「正孔(ホール)」についてでした。