【基本がわかる用語解説】 サプライチェーンとバリューチェーンの違い

用語
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普段使いしているけどよくよく考えると説明が難しい単語ってありませんか?
この記事は、私が疑問に感じた用語について調べてまとめたものとなっています。
イメージ重視で『ああ、そんな感じか』と理解したい人向けです。

今回は「サプライチェーンとバリューチェーンの違い」についてです。

1.初めに

わからない用語を調べた際、用語の説明をするために他の用語が出現してくるので結局何を意味するのかわからなくなったという経験はありませんか?
私は結構あります。
特に、業界特有の用語なんてその業界の方は知ってて当たり前のように使用してくるので、全く解読できなかったりします。

残念ながら、本ブログに関しても同じことが言えます。
人それぞれどこまで理解しているかは当然異なってきますので、万人が理解できる記事を書くというのは不可能なのです
超初心者に合わせて毎回基礎中の基礎から説明してたら本題に入れませんからね。

なので、本サイトでは基本的な用語から専門的な用語まで個別にまとめ、簡単に検索できるような構成にしてあります
もしわからない単語が出てきたら、画面右もしくは最下部に表示されている「サイト内を検索」から用語を検索するか、トップの「用語集」ボタンにまとめた取り扱い用語一覧から目的の用語を検索してみてください。

2.サプライチェーンとは?

サプライチェーンとは、英語で[supply chain]と書きます。
直訳すると[供給の連鎖]です。
噛み砕くと、製品を製造から供給するまでの一連の流れのことを指しています。
原料を調達、製品を製造、在庫管理、配送、販売、消費という流れを指しているわけですね。

農家が米や野菜を作る
→それを個々の業者が加工して販売する
→別の業者が弁当製造のオーダーを受けて他の業者から材料を調達する
→弁当をオーダーした業者へ配送する
→販売

→購入者が弁当を食べる

こんな流れがサプライチェーンということです。
実際はもっと複雑な流れになっていますが、イメージとしてはこれで充分でしょう。

ちなみに、サプライチェーンを通じて供給を最適化する取り組みのことをサプライチェーン・マネジメント、略してSCMと呼びます。
まあ、サプライチェーンをマネジメント(管理)しているだけです。

3.バリューチェーンとは?

バリューチェーンとは、英語で[value chain]と書きます。
直訳すると[価値の連鎖]です。
製品やサービスを製造から供給するまでの一連の流れを価値の連鎖と捉える考え方のことです。
ちょっとわかりづらい表現ですが、言葉にするとこんな感じになってしまうんですよね…。

サプライチェーンは原料を調達、製品を製造、在庫管理、配送、販売、消費という流れを指していると述べましたが、バリューチェーンはそれぞれの工程が創造する価値に焦点を当てているということになります。
要するに、「ある工程にどの程度のリソースを投入すると全体としての利益となるか」「ある工程にはどの程度のコストがかかり、どのようにお客様に貢献しているか(お客様にとって価値のあるものになっているか)」「顧客満足度を高めて利益を得るには何をするべきか」といった視点を重視した考え方がバリューチェーンだと思ってください。

例えば、500mlペットボトルのお茶があったとして、68円程度で買えるものもあれば、200円を超えてくるような高級品もあるでしょう?
これは、安物のお茶と高級品のお茶で、それぞれを求めている消費者の客層が異なるからこそ成り立っている価格です。
質と量のどちらを重視するのかは人それぞれですからね。

ここでペットボトルのお茶を製造する工程について大雑把に考えてみると、「原料の調達」→「工場での加工」→「搬送」→「店舗での販売」のようになります。

では、安物のお茶を製造しようとした場合、原料の調達はどのように行うべきでしょうか?
普通に考えて、茶葉の質はそこまで重視せず、摘み取るのにも効率の良い機械を使うでしょう。
なので、人件費(+その教育費)も大してかけません。
そんなところにコストをかけていられませんからね。

では、高級品のお茶ならどうでしょうか?
茶葉に拘るために品種改良したり、定期的に人の目でチェックを入れたり…摘み方にも制限があって人手にしているかもしれません。
特別な技能が必要になるので、その分人材の教育にかかるコストも膨大になるでしょう。

このように、「安く提供するためにはこの工程でコスト削減する必要がある」、「顧客の求めている品質をクリアするためにこの工程ではコストをかけてでも工夫を凝らす」といった観点で各工程にフォーカスし、製品やサービス全体の価値に結びつける考え方がバリューチェーンなのです

4.サプライチェーンとバリューチェーンの違い

サプライチェーンとバリューチェーンの根本的な違いは、その“目的・焦点”です。

サプライチェーンの場合、「製品やサービスがどのように供給されているか」という一連の流れ自体に焦点を当てています。
その為、その工程の最適化を図るような時にサプライチェーンという用語を聞くことがあります。
誰がいつどのように担っているかという供給の連鎖(サプライチェーン)を明確にし、それが本当に効率的なのか考えて最適化するわけです。

これに対してバリューチェーンは、「製品やサービスを供給する工程のどこにコストをかけるのか、どこをお客様にとって価値あるものとしていくのか」に焦点を当てます。

その為、サプライチェーンは効率化・最適化のためにどこかしらの工程でコストを削減するような考え方なのに対し、バリューチェーンは付与価値のために寧ろどこかしらの工程でコストアップさせる可能性もあるのです。
どちらも製品やサービスの工程について考える用語ではありますが、その観点が異なると覚えておきましょう。

以上、「サプライチェーンとバリューチェーンの違い」についてでした。