【FPの手引き】 株式投資をする際に確認する指標① ~PER・PBR・ROE・ROAの解説~

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家庭を築いて子供が何人欲しいだとか、とにかくお金を稼ぎたいだとか、誰しも将来を夢見ることはあると思います。
ただ、どんな願いがあるにしろ、この世の中では“お金”が大切になります。
そのために、貯金をしたり、保険に入ったり、投資をしてみたり、色々とやり繰りしなければならないことがあるんですよね。
そんな人生設計の知識が関係するファイナンシャルプランナー(FP)について紹介していきます。

今回は「株式投資をする際に確認する指標①(PER・PBR・ROE・ROAの解説)」についてです。

1.初めに

いざ株式投資を始めてみようと思ったとして、どこの株式を売買するのかは自分で考えて決定する必要があります。
取引をするための指標として企業の情報が各証券口座のページで閲覧できるようになっているのですが、初見だと見たことのない用語・略語がこれでもかと載っていて、一体何が書かれているのか困惑することでしょう。

今回は、そんな株式投資をする際に確認することになる指標の内、PER・PBR・ROEの三大指標について解説してきます。
この3つが特に投資家に見られていることが多いんですよ。

2.PERとは?株価収益率とは?

PERとは、[Price Earnings Ratio]の略称です。
[Price(価値→株価)]+[Earnings(収益)]+[Ratio(比率)]、正式名称は株式収益率です。

PERは、企業の株価が1株当たりの純利益(EPS[Earning Per Share])の何倍になっているかを表す指標のことで、その企業の利益に対して株価が何倍まで買われているのかを指しています。
式で表すと、以下のようになります。

PERは、今期の予想EPSで計算した予想PERと、過去の実績EPSで計算した実績PERの2種類が存在し、証券口座ごとにどちらか片方しか載っていなかったり両方載っていたりします。

PERからは、企業の利益に対する市場の評価が見て取れます

1株当たりの純利益に対して株価が高い(PERが高い)ということは、投資家が利益以上に企業を評価していることになります。
成長することに期待して、多くの人が株式を購入している状態ということです。
なので、株価が割高になっていることが多いです。
とは言え、そこから本当に企業が成長を見せた場合は株価が上がってPERもどんどん上がっていくので、割高というより成長が著しいと考えた方がしっくりくる場合もあります。
その辺りは他の指標も含めて判断していくことになります。

反面、1株当たりの純利益に対して株価が低い(PERが低い)ということは、投資家が利益の割にその企業を評価していないことになります。
なので、株価が割安になっていることが多いです。
ただ、割安というより成長性が期待できずに今後の利益率が低くなると予想している投資家が多いという可能性もありますので、結局は他の指標を含めた判断が重要になります。
赤字企業だとEPSがマイナスになり、PERが計算できない事態に陥るので、そうなっていたら流石に危険信号ですけどね。

PERの計算についても簡単に触れておきます。

例えば、株価が200円、当期の純利益が10億円、発行済株式が1億株だった場合、純利益10億円÷1億株で1株当たりの純利益であるEPSは10円になります。
PER=株価÷EPS(1株当たりの純利益)なので、PER=200÷10=20倍ということになります。
この倍率を比較して、大まかな市場評価を確認できるわけです。

ただし、PERは業種が変わると平均値が大きく変わるので、同業他社以外でPERを比較する意味は薄いです
業界によって成長力や安定力などに違いがあるのは当然ですからね。
IT関連なんてここ数年で爆発的に伸びている業界なので、PERは100倍を超えている場合もあります。

3.PBRとは?株価純資産倍率とは?

PBRとは、[Price Book-value Ratio]の略称です。
[Price(価値→株価)]+[Book-value(帳簿価額)]+[Ratio(比率)]です。
帳簿価格とは、ざっくり言うと資産価格から負債価格を差し引いたものを指しているので、純資産とイコールになります。
その為、正式名称は株価純資産倍率と呼ばれています。

PBRは、企業の株価が1株当たりの純資産(BPS)の何倍になっているかを表す指標のことで、その企業の純資産に対して株価が何倍まで買われているのかを指しています。
式で表すと、以下のようになります。

PERは1株当たりの“純利益”に対する株価を表していましたが、PBRは1株当たりの“純資産”に対する株価を表しているのです。
また、PERのように予想PBRと実績PBRの2種類が載っていることがあります。

PBRからは、企業の解散価値に対する株価の評価をすることができます

解散価値とは、会社を今すぐ解散して持っている資産を全部売却・換金して負債を返済した時に残る金額のことです
解散価値=総資産-総負債なので、ほぼ解散価値=純資産になります。
要するに、PBR=1倍だと、その会社の株価が解散価値(純資産)と等しくなるのです

日本においては、基本的にPBR1倍未満だと割安、1倍以上だと割高とされています。
PBRが1倍を下回ると本来の企業価値よりも安く取引されているということになるので、理論上、株主にとっては今後事業を継続するよりも会社を解散したほうが資産価値が高いということになってしまいます。
この状態を1倍割れと言います。
PBR1倍割れは、現状では企業の成長性に対する市場評価や投資家の期待が低いことを表しているのです
資産はあるのに、充分に活かしきれていないと思われているわけですからね。

ただ、純資産と言っても現金・不動産・設備・株式・債券など様々な種類に分類されるので、業種によって資産の性質が異なり、PBRの基準も変わってきます。
例えば、製造業の場合は工場などの設備に投資している割合が多いので、PBRは低めになる傾向にあります。
その為、業界ごとのPBRの基準が1倍未満になっていることはありますので、同じ業界の銘柄の比較に適した指標だと理解しましょう
その点に関してはPERと同じですね。

PBRの計算については純利益の部分が純資産に差し替わるだけなので割愛します。

ちなみに、PBRが低すぎると東京証券取引所から改善要請が出ることもあります。

4.PERとPBRの共通点と相違点

PERとPBRは何かと似ていてややこしいので、共通点と相違点をまとめてみました。
大まかには、以下の表のようになっています。

図1

こうして並べてみると、何の指標なのかが全く異なることがわかるかと思います。

PERは企業の収益力や成長性の指標なので、景気の動向や業績の影響に敏感です。
PBRは企業の資産価値の指標なので、資産価値や安定性を確認できます。
ただし、何れも高くなっている場合は投資家からの評価が高いという点は共通しているものの、低くなっている場合は割安になって買い目になっている場合と何かしらの問題を孕んでいる場合があるので、注意が必要です。
PERとPBRの他にも指標は多数存在するので、それらを組み合わせて投資判断に役立てましょう。

5.ROEとは?自己資本利益率とは?

なんか説明し終えたような雰囲気を醸し出していますが、もう一つ、ROEについても解説していきます。

ROEとは、[Return On Equity]の略称です。
日本語にすると自己資本利益率となります。
株主が出資したお金を使ってどれだけの利益を生み出したのかを表す指標です。
「株主が出資したお金(企業に返済義務のない資金)」=「自己資本」なので、名称そのままな指標になっています。

式で表すと、以下のようになります。

ROEが高いと出資したお金を効率よく扱って上手く儲けを出していることになり、ROEが低いと利益率や経営効率が悪いというのが一般的な傾向となります。
ただし、例外も存在します。

まず、借金をするとROEが上がります
借金は自己資本に含まれないからです。

借金を使って利益を出した場合、自己資本は上がらないのに利益だけ上がります。
なので、見かけ上ROEが上がってしまうのですよ。

また、自己資本が少ないとROEの計算式の分母が小さくなるので、ROEが高くなります。
自己資本が少ない企業に関しては、財務健全性も考慮する必要があるというわけです。

あとは、その時だけ偶々大きな利益が出て、一時的にROEが上がっている可能性もあります。
そこは過去のROEの推移を見れば判別付きますけどね。

このような例外も存在することは念頭に置いておきましょう。

上記のような例外もありますが、ROEの一般的な目安は以下のようになっています。

  • 5%未満…効率が悪い
  • 5~10%…平均的な効率
  • 10~20%…効率が良い
  • 20%以上…効率が非常に良い(※高過ぎて例外を疑う)

ただ、ROEに関してもRER・PBR同様に業種ごとに基準が異なってくるので、同業種での比較が基本になります。
他にも指標は存在しますが、主にここで説明したRER・PBR・ROEを組み合わせて企業の本質が評価できます。

6.ROAとは?総資産利益率とは?

これで三大指標について解説し終えましたが、ROEと似たような名称の指標としてROAというものがあるので、こちらについてもここで解説しておきます。

ROAとは、[Return On Assets]の略称です。
日本語にすると、総資産利益率となります。
企業が持っているすべての資産を使ってどれだけ利益を生み出したかを示す指標です。

式で表すと、以下のようになります。

会社は、工場・設備・在庫・現金・投資・借入(借金)など、様々な“資産”を持っています。
それらすべての資産を使って、どれだけ効率よく利益に出来たのかを表しているのがROAというわけです。

さて、このROAから株主に必要な情報は何かわかりそうですか?
借金も含めたすべての資産でどれだけ効率的に稼げたかという指標です。
『ROEで良くね?』ってなるんですよ。

ROEは返済義務の無い株主のお金をやり繰りして出した利益率ですので、そちらで充分なんです。
だから、ROAだけ省かれて三大指標になってるという背景があります。

ちなみに、ROAは経営者や銀行が重視する指標です。
そのためか、証券会社によってはROAが載っていないこともあります。
私が使っているSBI証券には載っています。

以上、株式投資をする際に確認する指標①(PER・PBR・ROE・ROAの解説)についてでした。