今回は「オルカンとは何なのか?」についてです。
目次
1.初めに
投資信託の話題として、『NISAの積み立て投資枠はとりあえずS&P500やオルカンに設定して20年気絶しておけば良い』みたいなことを言われていることがあります。
分散投資になりますし、過去の傾向から将来的に利益が見込めるのは事実なので、間違えた内容というわけでもありません。
ネット証券なんかも「迷ったらコレ!」とか言ってS&P500やオルカンをおすすめしていることがありますしね。
ただ、漠然と分散投資ができて資産が増えるという部分のみ知っていて、その内訳や詳細を理解していないで投資している人って結構多いみたいなんですよね。
素朴な疑問なのですが、自分が理解出来ていないものに投資するって怖くないんですかね?
理解が浅いからこそ、ちょっとした暴落時にNISA損切民という哀しい存在が生まれるので、自分が何に投資しているのかは知っておくに越したことはありません。
ということで、今回は投資信託においてよく耳にするオルカンとはどういうものなのかを解説していきます。
S&P500については前回の記事で解説しています。
2.オルカンとは?
オルカンとは、全世界の株式にまとめて投資するファンドのことです。
厳密には、MSCI ACWI(全世界株指数/オール・カントリー・ワールド・インデックス)という世界株の基準のような指数に連動するファンドの総称なので、略してオルカンと呼ばれています。
オルカンの場合、世界中の3,000社を超える株式銘柄に分散投資することが可能です。
S&P500が500社なので、分散力は桁違いです。
世界のトップ企業全部入りパックみたいな説明を見かけることはありますが、実際のところは時価総額(その会社が今市場でいくらの価値をつけられているかを表す数値)の高い順で選ばれた世界の主要企業入りパックがオルカンの実体です。
3.オルカンの構成銘柄と偏りとS&P500との違い
オルカンの構成銘柄としては、以下のような会社が挙げられます。
- Apple(アメリカ)
- Microsoft(アメリカ)
- TOYOTA(日本)
- Samsung(韓国)
- TSMC(台湾)
- Alibaba(中国)
何となく聞いたことがある企業が多いかと思いますが、それは有名企業を挙げているからです。
オルカンの構成銘柄は、新興国の株式も含まれます。
そして、どの国の株式が多いのかをパーセンテージで大まかに表すと、以下のようになります。
- 米国:約60%
- 欧州:約15%
- 日本:約5%
- 新興国(中国・インド等):約10%
- カナダ・オーストラリア・その他先進国:約10%
見てわかる通り、全世界に分散投資と謡っているのですが、実際のところはほぼアメリカ依存です。
S&P500のように1国依存では無いのですが、S&P500と投資先が被っている部分は多いのです。
その為、たまに『S&P500“と”オルカンさえ買っておけば分散は完璧』みたいなことを自信満々に言っている人がいますが、それは正直ほとんど意味は無いです。
S&P500とオルカンの投資先が多く被っているのを認識した上で、投資比率を調整して米国依存率を変えたいとかなら意味はあるんですけどね。
アメリカに全力投資でリターンを狙うならS&P500寄り、世界の成長にかけて安定志向・低リスク低リターンにしたいならオルカン寄りにすると良いかと思います。
私はS&P500を100%にしてますけどね。
4.オルカンの名を冠するファンドの種類
オルカンにもいくつか種類が存在するのですが、その中でも日本で圧倒的シェアを誇るファンドがeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。
日本においてオルカンと言った場合、ほぼほぼeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のことを指しています。
一応、SBI・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)なども存在するのですが、手数料が最安値レベル(大体0.05%前後)なことに加え純資産が巨大なので定番として擦られ続けた結果、オルカンと言ったらコレという位置にeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)があるような状態になっています。
ついでに言うと、オルカンは世界中の3,000社を超える株式銘柄に分散投資すると述べましたよね?
つまり、オルカンのファンドを作ること自体が結構面倒なんですよね。
その点、S&P500はアメリカの主要企業500社固定なのでファンドが作りやすく分散もある程度できる為、人気が高くファンドの種類が多くなっているというわけです。
5.オルカンのメリット
オルカンに投資するメリットは、S&P500を超える分散力です。
世界中の3,000社を超える株式銘柄へ時価総額が高い順に分散投資するわけですからね。
自分でやろうとしたら気が遠くなります。
“時価総額が高い順”というところも、時価総額だけを見て客観的に選択した企業に投資するので、人間の主観的な視点が入らなくなるというメリットを生みます。
その時々の市場価値が高い企業に淡々と投資しているので、長期で安定しやすいんですよ。
また、S&P500と違ってアメリカ以外の国にも投資しているので、アメリカ経済が不調だとしても他国がカバーできる可能性があります。
総じて、自分で何もしなくても市場価値の高い世界的企業に勝手に投資できるという点が優れていると思ってくれれば良いです。
低リスク低リターンで分散先を多くしたい、そんな安定思考の方に向いているのがオルカンなのです。
6.オルカンのデメリット
オルカンに投資するデメリットは、散々述べている通り結局はアメリカ経済に多く依存するという点です。
全世界投資を謡っているのに、中身が米国株60%という比率ですからね。
結局はアメリカ依存率が高いんです。
世界中の株式を万遍なく買うのではなく時価総額順に淡々と投資しているだけなので、勝手にアメリカに偏るのです。
また、時価総額順で投資先を決定するので、時価総額は高いけど今後の成長性が見込めない企業も含まれていることがあります。
『この会社いる?』と思ってしまうようなところにも投資されることがあります。
要するに、ファンドとしての質はちょっと悪いんですね。
S&P500の場合は実は質を考慮したフィルターがあって、時価総額以外も考慮した上で投資先を決定していますので、その辺りの差もあるのです。
時価総額だけ見て投資すると客観的に判断できるというメリットがあったわけですが、これがデメリットにもなり得るんですね。
7.オルカンの長期チャートについて
オルカンは実質1990年頃から発足し始めているので、S&P500の1920年頃と比べると歴史が浅いです。
その為、見やすい長期チャートが少ないです。
一応以下に長期チャートがあったので、リンクを置いておきます。

長期的に見れば右肩上がりだが局所的に下げるところもあるのはS&P500と同じですね。
ただ、今後もそうなっていくのかは過去のチャートというデータが揃っていない分オルカンは不透明なので、そこは意識しておきましょう。
以上、「オルカンとは何なのか?」についてでした。






