【基礎から学ぶダイオード】 pn接合ダイオードの内部構造 ~プレーナ型とメサ型の違い~

電気電子
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ダイオードは電流を決められた方向にのみ流すことができる部品です。
なのですが、回路図を眺めていると電流の流れに対して逆方向に接続していることもあります。
ダイオードの基本部分しか知らない場合、この辺りで結構な疑問符が浮かぶと思うんですよね。
ということで、ダイオードの動作原理や種類などを1からわかりやすくまとめてみたのが本記事となります。

今回は、「pn接合ダイオードの内部構造」についての説明です。

1.ポイント

プレーナ型

横から見ると長方形。

メサ型

横から見ると台形。

2.pn接合ダイオードの内部構造による分類

ダイオードには様々な種類が存在しますが、接合方法によりタイプを分けると、n型半導体とp型半導体を接合するpn接合ダイオード、n型半導体と金属を接合するショットキーバリアダイオードになります。

一般的なダイオードはpn接合ダイオードで、pn接合ダイオードは内部構造の違いによりプレーナ型メサ型に分けられます

3.プレーナ型について

プレーナ型の構造を横から眺めた時の断面図は以下のようになっています。

図1

後で説明するメサ型に関してもそうなのですが、カソード電極→高濃度のn+半導体→低濃度のn-半導体→高濃度のp+半導体→アノード電極と絶縁体の保護膜という構造は同じです。
違いは、n-半導体の側面を削るかどうかです

プレーナ型は側面を削らないのでその分チップが大きくなり、応答速度は速くなるという特徴を持ちます。
多くのダイオードはこのプレーナ型で作られています。
プレーナ型になっているダイオードとしては、スイッチングダイオードやツェナーダイオードなどが挙げられます。

4.メサ型について

メサ型の構造を横から眺めた時の断面図は以下のようになっています。

図2

先に説明したプレーナ型同様、カソード電極→高濃度のn+半導体→低濃度のn-半導体→高濃度のp+半導体→アノード電極と絶縁体の保護膜という構造になっています。
違いは、n-半導体の側面を削るかどうかです。

“メサ”とは、スペイン語で“台形”を意味しています。
その名の通り、メサ型は側面を削って台形に形成されます
こうすることで、電極の外側に流れてしまう余分な電流を減らすのが目的です。

メサ型は側面を削るのでその分チップが小さくなり、高耐圧・大電流での使用に向いているという特徴を持ちます。
メサ型のダイオードとしては、整流ダイオード・LED(発光ダイオード)などが挙げられます。

以上、「pn接合ダイオードの内部構造」についての説明でした。