【基礎から学ぶ設計思想】 設計の業務フェーズ ~実際の設計業務はどんな手順で行われるのか?~

電気電子
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回路設計を行う上で考慮すべき事柄は、使用環境・製品寿命・性能のバラつき・熱の影響・ノイズの影響など多岐に渡ります。
突き詰めていくと際限が無いので、本記事では設計時に意識しておくべきだと感じた内容についてわかりやすくまとめています。
考え方自体は回路設計以外にも通じるものがあるので、知っていて損をする内容ではないかと思いますよ?

今回は、「設計の業務フェーズ」についての説明です。

1.初めに

電気設計を行う場合、製品に持たせたい機能を盛り込むのは当然として、他にも考えなければいけないことが多々あります。
使用していると部品が熱くなる可能性があるからファンを設置する必要があったり、ノイズを発生させる部品があるので影響を受けて困る部品は近くに配置しないようにしたりという配慮です。
例を挙げるとキリがありませんね。

そこで、特に基本となる熱・ノイズ・バラツキ解析などについてまとめて行こうと思います。
その前提知識として、今回は実際の業務フェーズについて説明していきます。

2.設計の業務フェーズについて

実際に設計業務を行ったことがある方は大体どんな流れで仕事を進めていくかは想像できるかと思いますが、初めての方は一体何から手を付けるのかわかりませんよね。
やったことがないので当たり前なのですが、そこを理解せずに無茶ぶりしてくる上司というものはどこにでも存在します。
なので、ここでは実際にどんな順番で業務フェーズが移行していくのかを簡単に説明したいと思います。

設計の構想は3つのフェーズに分けることが可能です。

①構想設計
②基本設計
③詳細設計

①構想設計

これから設計を進めていくために、どんな製品をどのような部品を使ってどんな日程で設計していくかを決める段階です。
要するに製品仕様書・製品規格書を作成します。
使用環境・製品寿命・遵守する法規・製品性能・製品品質・コスト・作業日程などを明確にするわけです。
とりあえず製品を作れば売れるほど世の中は甘くないので、構想設計はしっかりとする必要があります。

②基本設計

どんな製品をいつまでに製作するかは構想設計で明確になっているので、その仕様を満たすための全体の構成を決めていきます。

コンセントからAC100V電源を引っ張ってきてパワーサプライ(ACをDCに変換する電源)に供給するメイン電源部、全体の演算処理を担うCPU部、情報を収集するセンサ部、モータやディスプレイなどの出力部など、製品によって必要となる大体のものは思い付くはずです。
そこで、詳細な設計は一度置いておき、全体をイメージするための機能ブロック図を描くのが一般的です。

機能ブロック図とは以下の図1のようなものです。

図1 機能ブロック図例

機能ブロック図とは、役割ごとにブロックで表して線で繋ぐことで、大まかな繋がりと全体の構成を理解できるようにした関係図のことです。
これがあれば、どんな通信方式をしているかなど詳細部分は分からずとも、大体どんな機能を持った製品なのかイメージが付きますよね。

また、機能ブロック図の他にも設計仕様書もこの段階で必要になってきます。
電子部品メーカの仕様書(データシート)を見てみると、その部品の入力電圧範囲・出力電圧範囲・推奨使用温度範囲・保存温度範囲などのスペックが表記されているかと思います。
アレを作ります。

③詳細設計

ここまでで基本となる設計は終えたので、いよいよ本格的な設計に入ります。
ここまでの手順は“設計”というより“検討・準備”のイメージでしたからね。

ブロック図の各ブロックの機能を実現するためのプリント基板の回路図設計、その回路図を構成する部品を一覧表示した部品表、部品の端子同士の接続を表すネットリスト、基板の材料・面付け・層数などを記載した基板設計仕様書なんかを手掛けていきます。
設計とはちょっと違いますが、基板に実装する部品やケーブルなどの手配も並行して進める必要があります。
モノによってはLTが数ヵ月・1年なんて場合もありますので、先行手配しておくことは結構重要だったりするんですよ。
私は最長で510日と言われたことがあります。

細かい違いはあれど、①構想設計→②基本設計→③詳細設計の順番にフェーズを移行して設計は行われていくのです。

以上、「設計の業務フェーズ」についての説明でした。