【基礎から学ぶ電線】 電線とコードとケーブルの違いとは?

電気電子
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パソコンを使用する時は電源ケーブル、スマートフォンを充電する時は充電ケーブルを何気なくコンセントに挿しますよね?
身の周りには、何気なく使用している電線が無数に存在します。
本記事では、そんな電線の区分・種類や概要についてわかりやすく説明していけたらと思います。

今回は、「電線とコードとケーブルの違い」についての説明です。

1.初めに

私達の身の回りには様々な電線が存在しますよね。
家電製品はコンセントにプラグを挿してコードで繋げていますし、外を歩けば電柱の間に電線が張り巡らされています。
PCを有線でインターネット接続する場合はLANケーブルを繋げますよね。

ここで質問です。
電線とコードとケーブルの違いを答えられますか?
多分よくわからないという人が多いかと思います。
違いを知らなくても日常生活で困ることはありませんからね。
でも、一度気になると知りたくなってしまいますよね?

ということで、今回は電線とコードとケーブルは何が違うのかを完結にまとめていきたいと思います。

2.電線とは?

まずは電線からです。

電線とは、その名の通り電気を伝送するための線状の部材のことです。
導体(電気伝導性のある銅やアルミニウム)を絶縁物(保護被膜)で被覆した(包んだ)絶縁電線が一般的ですが、設置箇所によっては線材が剥き出しになっているタイプも存在します。
絶縁物で被覆していない電線は特に裸電線と呼びますので、ただ単に電線と言っている場合は絶縁処理を施している線だと思ってください

もちろん、裸電線を触ると感電します。
ただ、裸電線は人の手に触れないところにしか配置しないルールになっているので、一般人が見かけることはまず無いのであまり気にする必要は無いです。

ちなみに、電線は基本的に絶縁されているから電気を流しているところを触っても問題無いのですが、触ってはいけないものもあります。
例えば、電信柱の間に張られている電線がありますよね?
あの電線が正にそうです。

過去に作業者が感電する事故が報道されているのを見たことがありませんか?
あれは、電線を保護する用途で絶縁してあるのであって、人の接触は想定していないからです
その為、別の電線を2本手掴みしてしまうと感電します。
1本なら感電しません。

1本なら問題無い理由は、電線に止まっている鳥が感電しない理由と同じです。
電流を流すには電圧が必要です。
ですが、同じ電線を鳥が2本の脚で掴んでいる場合、そこに電位差はほぼ生じません。
だから電流がほぼ流れないのです。
ついでに言うと、電線の方が電流が流れやすいので、それも合わさって平然としているのです。
逆に言うと、異なる2本の電線に触れてしまうと電位差が生じて鳥も普通に感電します。
なので、電線に止まりつつ羽をバサバサしている鳥がいたら下手したら感電死します…。

3.コードとは?

コードとは、電線同様に導体を絶縁物で被覆したものを指します
電線と異なるのは以下の点です。

・屋内で使用する。

・柔軟で折り曲げが可能。
※「可撓性(かとうせい)がある」という。

電線という大きな枠組みの中で以上の2点の特徴を有する場合はコードと呼ぶわけです。

電線は、家電製品をコンセントに繋ぐための室内用途の電線・電信柱の間に架けてある外的要因に強い室外用途の電線など、様々なところに存在します。

室外用途の電線の場合、雨風などの環境変化に耐えるだけの保護機能を持っている必要があります。
ですが、その保護機能を持たせるのはもちろんタダではありません。
なので、保護機能が無くても良い場所ならコスト削減のために保護機能を削除したいところです。
その点、屋内用途の電線は保護機能なんて必要無いですよね。
テレビの裏側に丸まっている電線なんて滅多に触らないですから、外的要因については考える必要が無いのです。
その為、屋内では保護機能は特に無い柔軟で折り曲げが可能な電線を使用するようになっています。
この電線がコードに当たります

ただ、折り曲げやすい代わりに耐久力は低めなので、柱や壁などに這わせて固定してはいけませんし、目に見えない場所(天井裏や配管の中など)で使用するのも禁止されています。

受話器や掃除機などの家電製品は、「電源“コード”をコンセントに繋ぐ」と言いますよね?
あれらの電線は「室内で使用する」・「固定しない」・「目に見える箇所で使用する」という全ての条件を満たしているからコード呼ばわりされているわけです。

4.ケーブルとは?

ケーブルとは、絶縁電線を複数束ねてシース(保護外被膜)を施したもののことです。
シースとは、内部の電線を絶縁するほか、水・油・埃・外力などから保護するための保護膜のことです。
つまり、外的要因からより強固に保護した電線のことをシースと呼びます。
なので、電線の一種がケーブルだと言えます。

コードと混同されていることが多いですが、ケーブルは外的要因に強い、つまり耐久力が高いです。
その為、屋外で使用されている電線は何かしらのケーブルとなります。
固定も可能です。

ただし、一部例外も存在します。
電線は電気を通す線ですが、ケーブルはモノによっては電気以外の通り道になっていることがあります
その最たる例が光ファイバケーブルです。
光ファイバーとは、繊維でできた光の伝送路のことです。
名称から想像できますが、電気ではなくて光が通るケーブルなのです。

5.まとめ

電線

電気を伝送するための線状の部材のこと。
ケーブルもコードも電線と言える。

コード

屋内使用に適した電線のこと。
柔らかいから固定してはいけない。

ケーブル

屋外使用に適した電線のこと。
ただし、電気以外の通り道もケーブルと呼ぶ例外が存在する。

電線を束ねてシースを施したものがケーブルなので、ケーブルの一部が電線だと勘違いし兼ねないかと思います。
ですが、電気を伝送している線なら電線と呼ぶ為、電線を使用しているケーブルのことも電線と呼べるわけです
若干ややこしいんですよね。
牛肉に塩胡椒を振ってステーキという料理を作ったけど、ステーキはそもそも牛肉だと言っているような感じというか何というか…。

以上、「電線とコードとケーブルの違い」についての説明でした。