今回は、「基本的な動作モードの仕組み(シングルエンドとディファレンシャル)」についての説明です。
1.初めに
通信の方式は多々ありますが、その電気信号を伝送する動作モードの方式に関しては大きく2つに分かれます。
シングルエンドとディファレンシャルというものです。
通信規格について調べていると、さも知っていて当たり前かのように登場し、一切の説明が無いことが普通にあります。
それだけ基本的で知っているべき内容だということなのでしょうけど、誰しも最初はわからないものです。
今回は、そんなシングルエンドとディファレンシャルの仕組みについて解説していきます。
2.シングルエンドとは?
シングルエンドとは、1本の信号線を使用してデジタルデータを伝送する手法のことです。
[single-ended(最後まで1本で伝送)]です。
基準となる電圧(基本は0VのラインであるGNDのことを指している)に対して、信号線の電圧が高いのか低いのか、つまり電位差によって信号のレベルを判断します。

シングルエンドは信号線が1本で済むので、非常にシンプルな伝送路を築けるという点が主な利点です。
仮に伝送する信号が4種類必要だった場合、後述のディファレンシャルでは8本の信号線が必要になるのに対し、シングルエンドでは4本の信号線で足ります。
それだけ線数も減らせるということはコストダウンに繋がりますからね。
ただ、信号が減衰しやすい・長距離通信には向いていない・高速通信には向かない・ノイズに弱いなどのデメリットがあります。
その為、ノイズの影響が少ない低速伝送においてはシングルエンドが率先して利用されています。
ちなみに、シングルエンドのような1本の信号線による伝送は、不平衡と呼ばれていることがあります。
3.ディファレンシャルとは?差動とは?
ディファレンシャルとは、2本の信号線を使用して1つのデジタルデータを伝送する手法のことです。
各信号の差分によってデータを表現するので、差動[differential]とも呼ばれます。
片方の電線には元の信号を流し、もう片方の電線には元の信号の位相を反転させた信号を流します。
この位相のみが異なる信号を利用して、2つの信号の電圧差を読み取ることで信号レベルを判別しています。
なぜわざわざ1つの信号を2本の信号線で表現するようにしているのかと言うと、ノイズの観点で優秀だからです。
差動信号は2本の信号線をツイストしてペアで配線するのが普通です。
ツイストペアにするとノイズに強くなるんです。
詳しくは以下にまとめてあります。
また、2線の電圧差を読み取るという点もノイズの抑制に一役買っています。
差動信号は、先程述べたようにツイストペアになっています。
つまり、非常に近くに配線されています。
その状態で外来ノイズがかかるのを想像して欲しいのですが、差動信号の2線にはほぼ同じノイズが載りますよね?
同じ電線種類で近くに配線されているので当然です。
ということは、2線の信号は同じような乱れ方をするんです。
それらの信号の差分を読み取るので、ノイズが載ろうが読み取り値は変化しないのです。

ちなみに、ディファレンシャルのような2本の信号線による伝送は、平衡と呼ばれていることがあります。
以上、「基本的な動作モードの仕組み(シングルエンドとディファレンシャル)」についての説明でした。




