今回は「株式投資をする際に確認する指標③(資本金・自己資本・利益剰余金・資本剰余金の解説)」についてです。
1.初めに
いざ株式投資を始めてみようと思ったとして、どこの株式を売買するのかは自分で考えて決定する必要があります。
取引をするための指標として企業の情報が各証券口座のページで閲覧できるようになっているのですが、初見だと見たことのない用語・略語がこれでもかと載っていて、一体何が書かれているのか困惑することでしょう。
今回は、そんな株式投資をする際に確認することになる指標の内、資本金について解説してきます。
前回や前々回の記事でしれっと自己資本という用語も登場しているのですが、資本金と自己資本は似て非なるものなので、ここで併せて解説していこうと思います。
何というか…似たような名称にしないで欲しいよね。
また、自己資本の理解には利益剰余金や資本剰余金という用語も知っておく必要があるので、それらについてもまとめて解説していきます。
2.資本金とは?
資本金とは、会社設立時に株主から集められた資金のことです。
会社について調べると、上場・非上場問わずに必ず公開されている情報なので、株式投資をしたことがなくても見聞きしたことがある用語かと思います。
企業のWebページとかに普通に載っていますからね。
昔は株式会社なら資本金1,000万円以上、有限会社なら資本金300万円以上が設立に必要だと法律で定められていたのですが、現在は1円からでも設立可能になっています。
資本金は会社に投資された資金なので、借金とは違って返済義務はありませんし、現状の業績とは特に関係ありません。
あくまで、『これぐらい投資されたことがあるよ』という指標であって、業績が上がっても資本金は変化しません。
3.資本金の多さは“信用と期待”の表れ
ここまでの説明でこう思ったのではないでしょうか?
『あまり重要な項目ではないのでは?』と。
実際に保有しているお金とかではなく、過去に投資されたことがある金額でしかないですからね。
今ではなく過去の情報という点も若干弱いと感じるかもです。
まあ、そんなことは全くないんですけどね。
重要ではない項目をわざわざWebページなどに載せるわけがないんですよ。
資本金の本領は“信用と期待”です。
資本金が多いということは、それだけ周りから信用・期待されているということになります。
投資した金は無駄になるかもしれないのに、それだけ資本金を集められているんですからね。
特に努力をすることもなく、フリーターをしながら声優を目指していると宣っている人間が居たとして、そんな人に投資をしたいと思いますか?
無理ですよね?
だから、資本金が多いと信用度が高くなるんです。
※近所なので昔はよく遊んでいた旧友人・元知り合いの実例です。ヤバいので縁を切りました。
その為、金融機関に融資を依頼する時に、資本金が少なければ融資の額にも影響してきます。
資本金が多ければ会社の資金調達能力と支払い能力の高さの証明になるので、資本金が少ないと融資額に影響してくるんですよ。
厳密には、多くの金融機関では資本金の2倍程度の融資額が上限とされています。
また、資本金が少なすぎると、そもそも融資をしてもらえない可能性もあります。
先程の旧友人の例に則ると、返済能力や返済への期待ができないので、一切金を貸したくなくなるのと同じです。
その考えが至る所で反映されるんです。
重要でしょう?
4.資本金は変更できる
資本金の金額は、会社設立時に設定した基本金額となります。
この金額は、手続きをしない限り変化しません。
最初に資本金を1,000万円と設定したのなら、2,000万円融資されたことがあったとしても資本金は1,000万円と表示されますし、現状500万しか融資されていなかったとしても資本金は1,000万円と表示されます。
なので、資本金は“信用と期待”だと述べましたが、あくまで指標の一つでしかなかったりします。
ただ、「手続きをしない限り」と述べたように、しっかり手続きをすれば変更は可能です。
それなら、資本金が増えたら都度手続きをした方が融資に有利になるから、どんどん更新した方が良いと感じませんか?
ですが、実際はそんなポンポンと変更するものではありません。
理由は単純で、資本金は税金に関係してくるからです。
簡潔に述べると、資本金が上がるほど税金がかかります。
なので、場合によってはそのままの方がお得なんですよ。
5.資本金と自己資本の違い
さて、資本金についての解説を終えたので、次は自己資本との違いについて述べていきます。
ここまで何度も述べていますが、資本金は“会社設立時に”株主から集められた資金のことです。
会社の元手となった資金であって、利益が出ても資本金は変化しません。
それに対して自己資本は、会社に返済義務の無い資金のことです。
株主が投資しているお金は返済義務が無いので自己資本ですし、会社がこれまで稼いで蓄えてきた利益も自己資本です。
そう、“株主が投資したお金”は自己資本なのですよ。
資本金は、会社設立時に“株主が投資したお金”のことです。
つまり、自己資本の一部が資本金なんですね。
厳密には、自己資本の中には以下のようなものが含まれています。
- 資本金
- 利益剰余金
- 資本剰余金
- その他の包括利益累計額
自己資本の内訳
会社設立時に株主から集められた資金。
元手資金。
ただし、会社設立後でも増資可能。
会社がこれまでの事業活動で稼いで蓄えてきた利益のこと。
利益から株主への配当金や役員賞与などを捻出するが、そういった形で外部に出さずに会社の中に残したお金の累積です。
ただし、会社に残した利益の累積記録であって、利益剰余金の分だけ現金を保持しているわけではありません。
設備投資・製品在庫などの形に変化した状態での資産になっていることがあります。
なので、会社が自由に扱える現金とはまた違うという点は意識しておきましょう。
株主から受け取ったお金の内、資本金にならなかった部分をまとめたものです。
利益剰余金が「会社が稼いだお金の蓄積」なのに対して、資本剰余金は「株主からの出資金を資本金として計上しなかった部分の累積」というイメージになります。
例えば、株式を発行して会社が株主から10万円お金を受け取ったとします。
このお金の計上なのですが、一部を資本金に含むことができます。
「6万円は資本金に入れる」といった決定を会社判断で可能になっているのです。
この例で言うところの、資本金に計上しなかった4万円が資本剰余金に含まれます。
ちなみに、株式発行時に資本金にしなかった部分のことは資本準備金と言います。
この辺は本当に名称がややこしいんですよね。
会社が未だ実現していない利益・損失をまとめた項目です。
利益剰余金と違って、実際に稼いだ利益ではありません。
会社の資産には、株式・債券・海外子会社の円換算(為替レートの影響)など、市場の変動で価値が上下するものがあります。
そんな価値が上下するものを当期純利益に加えた場合、利益がブレて正確な値を出せなくなります。
そこで、過去からの累積をまとめて、自己資本に突っ込むようになっています。
以上、「株式投資をする際に確認する指標③(資本金・自己資本・利益剰余金・資本剰余金の解説)」についてでした。





