【基礎から学ぶ電気設備】 漏電とは?短絡と地絡との違いと併せて解説!

電気電子
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電車の駅や線路沿いなどには一般人立ち入ることのできない設備があります。
工場見学に行くと様々な機械かみ合って動いている様を見ることができます。
このように、よくよく考えると身の周りには電気設備が存在するのですが、どんなことをしているのかは第三者でしかないから曖昧だったりしますよね。
本記事では、そんな電気設備のあれこれを簡単まとめてみました。

今回は、漏電と地絡」についての説明です。

1.漏電とは?

漏電[leakage]とは、正常なら電気が流れていない箇所に電気が流れている現象を指しています。
気がれる」なので、意味は想像できますね。

装置内に配線されている電線は、電気が流れる導体を電気を流さない絶縁体で覆って保護されています。
ですが、仮に絶縁体に傷が付いて導体が露出してしまっていた場合、そこから装置の筐体が繋がってしまうかもしれません。
そうすると、装置の筐体にも電気が流れた状態になります
この状態が漏電です。
何かしらの原因で絶縁不良になった結果、漏電するということですね。

2.短絡と地絡との違い

漏電と混同しやすい用語としては、短絡地絡が挙げられます。

短絡は、電位差のある2点間が抵抗の小さな物体により繋がってしまう状態のことです。
電源の+側と-側が導線で直接繋がったりしてしまうと、それは短絡と呼びます。

短絡すると抵抗の小さな物体に大電流が流れてしまうので、発光・発火・焼損などに結びつきます。
漏電でも発光・発火・焼損に結びつく可能性はありますが、漏電の場合は見た目上特に変化が無いということもあります。
まあ、触れると人体に電流が流れ込んでくるので感電しますが…。

短絡については別途詳しくまとめてありますので、気になったら以下の記事も確認してみてください。

地絡は、機器の絶縁不良などによって大地に電流が流れている状態のことです。
要するに、漏電した電気が大地へ流れていく状態を指しています。
その為、地絡は漏電の一種と捉えることができます。

3.天絡とは?

また、あまり一般的な用語ではないですが、天絡というものも存在します。

地絡は、絶縁不良などの要因によって“大地”に電流が流れている状態でした。
“大地”“短絡”するから“地絡”です。
この命名ルール同様、“天”“短絡”することを“天絡”と呼びます。

電気回路における“地”はグランドですので、その反対を指す“天”とは電源を指しています。
要するに、どこかしらの電源と本来繋がっていない信号ラインなんかが短絡した場合、このことを天絡と呼ぶのです。
ただ、仮にそんなことが発生したとしても、普通にみんな『短絡した』と言うので、天絡という用語が全然普及していないんですよね。
地絡だって短絡と呼んでいることが多いですから。

ちなみに、私はインパルス試験機というノイズを与える試験装置を使用している際、インパルス試験機が漏電していたので感電したことがあります。
滅茶苦茶痺れただけで、大したことにはならなかったですけどね。
動いている試験機の筐体はあまり触らないようにしよう!

4.まとめ

漏電とは、正常なら電気が流れていない箇所に電気が流れている現象のことです。
地絡は、機器の絶縁不良などによって大地に電流が流れている状態のことです。

以上、漏電と地絡についての説明でした。