今回は、「セキュリティの問題でPDFに電子印を押印出来なかった場合の対処法」についての説明です。
1.初めに
そんなに頻繁に起こることではありませんが、企業と取り交わしをしていると資料にサインバック(押印して資料を返却すること)を求められることがあります。
私の場合は電気設計者なので、新規部品を検討している際にメーカもしくは代理店に仕様書の作成を依頼し、仕様書ができたら最後にサインバックを求められることがあります。
そんなサインバックを行う資料はPDFであることが大半なのですが、基本的には普通に電子印を押印(貼り付け)することが可能です。
電子印を作成したらコピーして、ctrl+vで完了です。
なのですが、PDFのセキュリティにて“注釈”を許可されていないと電子印の押印はできません。

最近、それを指摘したのに相手側は修正方法がわからないの一点張りで、サインバックができないという謎の自体に陥りました。
セキュリティ設定しているのは相手側なんだから、客であるこちらにそんなこと言われても知らんがな…。
そこで、今回はセキュリティの問題で普通に電子印を押印できなかったとしても、無理矢理押印する方法の手順をまとめておくことにしました。
2.“注釈”を許可されていないPDFに押印するための最低条件
セキュリティで“注釈”を許可されていないPDFに電子印を押印する方法について解説していきたいのですが、この方法を実施するための最低条件が2つあります。
1つは、Adobeが使用できることです。
こちらに関しては、適当な企業に所属していれば何かしらのAdobeを使用しているかと思います。
私はAdobe Acrobat Readerを使っています。
もう1つは、PDFのセキュリティにて“署名”を許可されていることです。
署名を使って無理矢理押印しようというわけです。
その為、“署名”までセキュリティで許可されていなかった場合、この方法はおそらく使えません。
図1のPDFでは“注釈“も“署名”も許可されているので、普通の押印も、今回まとめた方法の押印も、どちらも可能となります。
どちらも許可されていない場合は、そんな資料を寄越してくる相手側の頭がおかしいです。
押印出来ない状態の資料を渡しておいて押印しろって言うんですからね。
意味不明です。
3.“注釈”を許可されていないPDFに押印する方法
では、肝心の内容に移ります。
まず、電子印を作成し、図として保存します。
拡張子は、一般的なPNGやJPGで問題ありません。

次に、電子印を押印したいPDFを開き、署名を選択します。
使用するソフトによってどこにあるのかは微妙に異なると思われるので、とにかく署名を探してください。

図3の場合は、画面左と画面右にありますので、ここでは画面左の「入力と署名」を選択してみます。
すると、「自分で入力して署名」という画面に切り替わります。

ここで、「署名を追加」の“+”をクリックすると、以下のような画面が表示されます。

ここで「画像」を選択し、最初に図として保存した電子印を選択します。

すると、署名が表示されますので、この状態で「適用」をクリックします。
これで署名として電子印が登録されました。

あとは、この署名(電子印)を選択した状態で押印したい場所をクリックすれば、電子印を押印できます。

この状態で保存すれば完了です。
普通に面倒ですし、若干荒れた電子印になるので、しっかりした資料ならセキュリティを見直してもらった方が個人的には良いと思います。
相手方の電子印は綺麗なのに、自分の電子印だけ解像度が低い…みたいな状態になりますからね。
以上、「セキュリティの問題でPDFに電子印を押印出来なかった場合の対処法」についてでした。