【資産運用の手引き】 投資信託における基準価格と分配金の仕組み

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家庭を築いて子供が何人欲しいだとか、とにかくお金を稼ぎたいだとか、誰しも将来を夢見ることはあると思います。
ただ、どんな願いがあるにしろ、この世の中では“お金”が大切になります。
そのために、貯金をしたり、保険に入ったり、投資をしてみたり、色々とやり繰りしなければならないことがあるんですよね。
そんな人生設計の知識が関係するファイナンシャルプランナー(FP)について紹介していきます。

今回は「投資信託における基準価格と分配金の仕組み」についてです。

1.初めに

個別株の場合は株価が決まっていて、単元株単元未満株で売買が可能でした。

これに対して投資信託は、ファンドの内容によって株式・債券・不動産・海外資産など投資先もその投資量もバラバラな分散投資をするので、購入単位が変わります。
それに、複数種類の株式のファンドがあったとして、購入価格がどうなっているのかという疑問もあるかと思います。

ということで、今回は投資信託における基準価格の仕組みを解説しつつ、関連する用語として分配金の説明をしていきます。

2.基準価格とは?

基準価格とは、投資信託が持っている資産の1口あたりの価値のことです。
要するに、株式で言うところの株価は、投資信託で言うところの基準価格に当たります。
「株価×1株=1株当たりの株式の購入額」だったのが、「基準価格×1口=1口当たりのファンドの購入額」になります。
投資信託の場合、売買の最小単位が1口という扱いになるのです。

ファンドによってこの基準価格が異なるので、どのファンドを選ぶのかによって必要になる資金も変わってきます。
例えば、基準価格1万円のファンドがあったとすると、1口購入するのに1万円、10口購入するのに10万円必要ということになります。
名称がちょっと仰々しいだけで、基準価格=ファンドの価格だと思っておけばOKです。

ちなみに、例として1口1万としましたが、実際はもっと基準価格は低いです。
その辺りは次項から説明していきます。

3.基準価格の決まり方

基準価格は、そのファンドの純資産総額を総口数で割った値となります。

純資産総額とは、ファンドで保有している資産(株式・債券・不動産・海外資産など)を時価換算した額を足し合わせ、そこから分配金や信託報酬などの手数料を差し引いたものを指しています
例えば、純資産総額が100億円で総口数が80億口あるファンドがあった場合、基準価格は100億÷80億=1.25円になります。
この場合、1口1.25円で購入できるというわけです。

ただ、実際の1口当たりの価値は1円未満になることが多いので、証券会社のWebページには1万口当たりの基準価格が公表されていることが多いです

日本ではほぼほぼ1万口当たりの基準価格が公表されるようになっています。
1口当たり1.25円だったのなら、1.25×10,000=12,500円が証券口座の画面に表示される基準価格になっているというわけです。
本質的な基準価格と、見やすくするための表示用の基準価格があるという点に注意しましょう。

投資信託は積み立てNISAで使用する人が多いので、1口当たりの基準価格を小さくしてなるべく割り切りやすいようにでもしてるのかもしれませんね。

4.分配金とは?

基準価格の説明でしれっと出てきた分配金について補足説明をしていきます。

分配金とは、投資信託において投資家に支払うお金のことです。
ファンドの種類によって、分配金は出たり出なかったりします。

この説明を聞くと、『株式における配当金と同じでは?』と思うかもしれませんが、厳密に異なる箇所があります。

配当金は、言うなれば企業の利益を分配する仕組みです。
あくまで利益を分配するので、利益が出なければ配当金は出せません。
ない袖は振れないんですよ。

それに対して分配金は、ファンドの資産から捻出されます。
ファンドで保有している資産価値が上がっているのなら、その利益から分配金が出されます。

では、利益が出なかったらどうなるのかと言うと、元本(自分がファンドを購入するのに出したお金)から取り崩されます
この元本から取り崩される分配金のことは、特別分配金と呼びます。
配当金は利益が出ないとゼロになりましたが、分配金は利益があろうが無かろうが一律で発生するのです。
ここが配当金と分配金の大きな違いです。

常に分配金を貰えるなら良いことだと一瞬思うかもしれませんが、ファンドの資産を取り崩す形になるので、結果として基準価格が下がります
損も得もしてないんですよ。

ついでに言うと、分配金は課税対象です。
特別分配金は元本の払い戻しだからか非課税なんですけどね。

上記のような仕組みになっているので、ファンドにおいて分配金が出るメリットってあんまり無いんですよね。
それでも、配当金と同じく定期的に払い出されることが嬉しいという人もいるので、分配金有りのファンドは数多く存在します。

ちなみに、利益と元本の混合で分配金を出しているファンドもあります。
毎月決まった金額を分配するようなファンドの場合、月によってはあまり利益が出ていないこともあります。
そんな時に、元本からもちょっと出してくるのです。

5.基準価格が上下する理由

株価が上下する理由はいくつかありましたが、基準価格が上下する理由もいくつか存在します。

まず、一番わかりやすいのが時価総額の変化です。

基準価格の決まり方には純資産総額が関わってきますので、ファンドで保有している資産(株式・債券・不動産・海外資産など)の時価総額が変化すれば基準価格も変化します。
ファンドで株式を買っていたのなら、株価が上昇した分は資産価値が高まるので、その上昇分だけ基準価格も上がるという単純な話です。

同様に、投資している資産からのインカムゲイン(株式なら配当金、債券なら利金が該当)や分配金・信託報酬などの手数料も基準価格に影響してきます

インカムゲインが入れば、基本的に基準価格は上昇します。
資産が増えますからね。

分配金は先程説明した通りで、ファンドの利益や元本などの信託財産全体から捻出されるので、分配金を出しただけ基準価格が下がるという話です。
信託報酬などの手数料はまた次回にでも詳しく解説しますが、とりあえず手数料も分配金同様に信託財産全体から差し引かれると理解しておいてください。
分配金を出せば基準価格が下がりますし、手数料がかかっても基準価格は下がるのです。

他には、為替レート(日本円と外国のお金を交換する時の交換比率のこと)の変化も基準価格に影響します
具体的には、外貨資産が円安になると増え、円高になると減ります。

このように、基準価格はその運用成果や市場の影響によって変動しますので、購入時と売却時の基準価格の差が投資家にとっての損益となります。

ちなみに、基準価格は純資産総額÷総口数なので、ファンドを購入する投資家が増えてもその分総口数が増えるだけで、基準価格は変化しません
株式の場合は発行可能株式総数が決まっている中で投資家が株式を売買し、購入者が多ければ多いほど株価が上がりました。
投資信託の場合は口数に上限が無く、ファンドの購入者が増えたらその分口数も増えていくので基準価格は変わりません。
この部分も異なる点には注意が必要です。

6.基準価格が公表されるタイミングについて

株価は投資家により株式が売買されるとリアルタイムで更新されるようになっていましたが、基準価格は異なります。

基準価格は、原則として1日に1回のみ、1日の終わりに公表されます。
具体的には、投資信託の売買取引の申込を締め切った後(各取引所の取引終了後)にファンドの資産価値を時価評価に基づいて計算し、当日の午後7時までに基準価格が公表されます。
このようなファンドの売買取引申込時に基準価格がわからなくなっている方式のことをブラインド方式と呼びます。

なぜ投資信託はブラインド方式になっているのかと言うと、投資家の公平性を保つためです。

投資信託という仕組みは、投資家全員で資金を出し合って共同で運用する構造になっています。
複数人で用意したプール金を元手にして投資してるんですよね。
その為、ファンドを購入している人たちが同じ条件で売買取引をできるようにしてあります

例えば、午後2時頃に市場が急落する情報を入手したから即売り注文を出して被害を少なくしたい人がいたとしても、それは許可されないのです。
端的に言えば、「みんなでお金を出し合って投資してるんだから、抜け駆けは許さねぇ。全員で損しようや。」ってことです。

また、投資信託は様々な株や債券を大量に保有しているので、そもそもリアルタイムで売買して基準価額を調整することができないという理由もあります。

以上、投資信託における基準価格と分配金の仕組みについてでした。