今回は、『至る』と『到る』の意味の違いについてです。
基本的に結論だけ見ておけば知りたいであろう内容は載っていると思います。
より詳しく、雑学として知っておきたい場合は以降の項にも目を通してみましょう。
1.結論
どちらも意味は変わりません。
強いて言うなら、ある状態に達することが「至る」、ある場所に行き着くのが「到る」です。
ただし、「到る」は常用外漢字なので、基本的には「至る」を使うように心掛けた方が良いです。
2.辞書から考える
辞書で「至る」と「到る」について調べると、同じ意味として取り扱われています。
1 ある目的地・場所に行き着く。到達する。「峠を経て山頂に—・る」
引用:weblio国語辞典 デジタル大辞泉
2 ある時間・時点になる。「今に—・るも連絡がない」「交渉が深夜に—・る」
3 ある段階・状態になる。結果が…となる。「大事に—・る」「倒産するに—・る」「事ここに—・ってはやむをえない」
どちらもどこかに着く・達することを指しているようですが、辞書からは明確な違いを見つけるのは難しそうです。
3.標準統合辞書から考える
PCで日本語入力をする時に漢字に変換するためにスペースキーを押しますよね?
その際、予測される候補がいくつか出てきて、場合によっては簡単な意味が表示されます。
この候補が標準統合辞書という名前だったので、「いたる」についても確認してみました。
すると、以下のように表示されます。
「至る」…届く、達する
「到る」…行き着く(※ 常用外)
「到る」は常用外漢字だったようです。
常用外漢字とは、日常的には使用しても問題はないけど、公的な文書で使ってはいけない漢字のことです。
4.実際の使用ケースから考える
「至る」には以下のような使用例があります。
死に至る。最高地位に至る。最終局面に至る。
死という終着点に達する、地位が最高ランクに届くわけです。
それに対して「到る」は、「到着」…つまり着くことを表しています。
「電車が終点に到る」というように、目的に向かって進んだ結果辿り着いたのが「到る」です。
…これって結局「至る」も「到る」も辿り着くことに変わりがないので、同じ意味になってますよね。
なので、日本語としての「いたる」の使い方はどちらでも問題無いと考えられます。
ただし、先程述べたように「到る」は常用外漢字なので、極力「到る」は使わない方が良いでしょう。
本来「到る」で「いたる」とは読まないんですよ。
以上、『至る』と『到る』の意味の違いについてでした。